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特定技能ビザと宿泊業(ホテル・旅館)

特定技能ビザの開始で、従来難しかった宿泊施設での単純労働でも外国人スタッフが働けるようになると聞いたのですがどうでしょうか?

特定技能ビザで外国人スタッフが日本人の社員やスタッフと同じように働くことができるようになります。

 

 今まで不許可になっていた事例(例)

今までの技術・人文知識・国際業務ビザでは、企業などで従事する職務内容がいわゆる単純労働とみなされるものではないこと、学歴や職歴が企業での職務内容と合致(がっち)する必要があり、宿泊業においては以下のような事例で就労ビザ(技術・人文知識・国際業務ビザ)は不許可となっていました。

しかし、新設される特定技能ビザを取得することによって、これまで宿泊業において単純労働として認められなかった職務内容でも、学歴や実務経験との関係性がなくとも働くことができるようになります。

【技術・人文知識・国際業務ビザでの不許可事例】

  1. 本邦の専門学校において服飾デザイン学科を卒業し,専門士の称号を付与された者 が,本邦の旅館との契約に基づき,フロントでの受付業務を行うとして申請があった が,専門学校における専攻科目と従事しようとする業務との間に関連性が認められな いことから不許可となったもの
  2. 本邦で商学を専攻して大学を卒業した者が,新規に設立された本邦のホテルに採用 されるとして申請があったが, 従事しようとする業務の内容が,駐車誘導,レストラ ンにおける料理の配膳・片付けであったことから,「技術・人文知識・国際業務」に該 当する業務に従事するものとは認められず不許可となったもの

 宿泊業は特定技能ビザの試験を受ける必要がある

特定技能で認められるとされる14業種のうち、宿泊業と外食業のみが既存の技能実習制度で認められらた業種ではありません。特定技能ビザは、技能実習2号を終了した人は無試験で特定技能ビザへ移行することができるようになっており、当初その技能実習を終了した人たちが無試験でスライドしてくることが想定されているのですが、宿泊と外食だけは、特定技能ビザを取りたい人は、所轄艦省庁が実施する特定技能ビザに関する試験を受けて特定技能ビザを許可するという流れになることになります。

なお、従来、技術・人文知識・国際業務ビザでは、宿泊業のスタッフの仕事の一部(配膳や荷物運搬、清掃など)は単純労働として認められませんでしたが、この特定技能ビザにより、例えば、そのような単純労働とみなされていた職種で働くことや、日本語学校を卒業した留学生や職務とは関係のない分野を専攻した専門学校生(服飾専門学校など)も特定技能ビザの試験を受けて、ホテルチェーンの社員として働くことができます。

 特定技能ビザ(宿泊)を取得するには

特定技能ビザ(宿泊)を取得するためには、宿泊の特定技能評価試験に合格し在留資格を申請する必要があります。試験は一般社団法人 宿泊業技能試験センターが行います。詳細は同法人のHPをご参照ください。

フロントページ

職務内容は、宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊 サービスの提供に係る業務としていますが、日本語能力の水準(N4)を鑑みると日本語能力はそれほど高い能力を求めていないように思えます。ただし、国内の試験は、退学・除籍者、難民申請中、技能実習中、技能実習からの失踪者、中長期滞在者以外(短期滞在者)は受けることができません。

なお、直接雇用のみで派遣形態は認められていません。

【特定技能試験(外食)を合格すること】

  1. 宿泊業技能測定試験

  2. 国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上

 

 特定技能ビザで働く人の所属機関への義務

特定技能ビザで働く人の所属機関には以下のような義務が課せられています。

  1. 旅館業法第2条第2項に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けた者であること。
  2. 「風俗営業法」第2条第6項第4号に規定する「施設」に 該当しないこと(いわゆるラブホテルをイメージしてください)
  3. 特定技能外国人に対して風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと。(定義は難しいのですが、ここではいわゆるキャバクラのようなものをイメージしてください)
  4. 国土交通省が設置する「宿泊分野における外国人材受入 協議会」の構成員になること。
  5. 協議会に対し、必要な協力を行うこと。
  6. 国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと
  7. 登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、上記4−6の条件を全て満たす登録支援機関に委託すること。

 

 日本の大学を卒業したN1保有者も宿泊業で採用可能に!

なお、現在、特定技能(宿泊)に加えて、日本の大学を卒業しN1の日本語力を持った外国人の企業への就職推進のため新しいビザ「特定活動(本邦大学卒業者)」の導入のための告示改正もされました。こちらでも、ホテルや旅館などの宿泊業などで働く正社員従業員を想定しており、特定技能(宿泊)と同じく採用を検討しうるところです。

日本の大学に留学中で、N1の日本語力がある学生(または大学で日本語を専攻している学生)は、インターンシップかも含めて積極的にリクルーティングしたいところです。

 

 特定技能(宿泊)外国人を採用した後の手続き

特定技能外国人の雇用後の手続きはこちらよりご参照ください。入管法で求められる義務的手続き及び厚生労働大臣への届出の義務があります。

 特定技能外国人の地域偏在を防ぐための施策

特定技能(宿泊)で働く外国人が、(給与水準の高い)東京や大阪などの大都市圏に過度に集中して就労することにならないようにするために、自治体における一元的な相談窓口の設置、ハローワークによる地域の就職支援等を着実に進めるなどの業種横断的な措置が検討されています。

これらは、特定技能(外食)と同じように、給与水準や待遇の良い東京や大阪の大都市に特定技能外国人が偏ることを、当局が当初より予想しているためです。

コンチネンタルの見立て(予想)

コンチネンタル・リサーチ&コンサルティングでは、特定技能外国人は、当局の見立てよりも「市場原理に基づいて、より待遇の良い就職先へ集中が加速する」を予想しています。給料の高い東京や大阪の地域的な偏在は当然のこととして、より待遇の良い(=福利厚生プランの良い)宿泊業界の大手ホテルチェーンなど一部の企業への人気集中、そして、そもそも給料の高い業種(セクター)への人気集中です。特定技能の主な対象となろう国の現場からはすでにそのような声が聞かれています。

また、就職当初だけでなく、その後の人材の移動も活発になる可能性があります。特定技能外国人は転職が認められているからです。特定技能1号では最長5年の在留期間しか認められていないため、待遇に不満を抱いた場合、転職してより良い条件の先を見つけることができます(=ここが現行技能実習と大きく異なる点の1つです)。

一般的に、外国人は人材の流動性(転職する確率)が高い傾向も見受けられるので、特定技能外国人を長期間引き止めておける魅力的な施策が自治体や企業に求められると考えています(ex.地方であれば、空き家対策を活用した大企業に劣らない格安の社宅を用意するなど)。

 人手不足が解消されたら

人手不足が解消された場合、国土交通大臣は、有効求人倍率等の公的統計等の客観的指標等を踏まえ、人手不足の状況の変化に応じて運用方針の見直しの検討・発議等の所要の対応を行うとともに、向こう5年間の受入れ見込数(22,000人)を超えることが見込まれる場合には、法務大臣に対し、受入れの停止の措置を求めるとしています。

また、受入れの停止の措置を講じた場合において、当該受入れ分野において再び人材の 確保を図る必要性が生じた場合には、国土交通大臣は、法務大臣に対し、受入れの 再開の措置を求めるとしています。

 具体的な手続きについては当サイトで告知します

上記のようにまだ不明な点が多い制度ですが、このサイトでは、随時情報をアップデートしていきます。
最近、特定技能ビザ・登録支援機関のお問い合わせがとても多いのですが、まだ具体的な手続きは未定ですので、私のLINE@に登録していただければ、先行して、制度情報のアップデートや特定技能ビザ・登録支援機関などの設立アドバイザリーのサービススタートなどをおしらせしたいと思います。

19年9月17日(火)に特定技能&登録支援機関に関するセミナーを開催します!(詳細はこちら

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この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。

在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。

入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Plannner)
日本証券アナリスト協会検定会員

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