芸術ビザ(アーティストビザ)を取得する【保存版】
大学で美術・芸術・音楽を専攻していました。卒業後に芸術ビザは取れますか?
受賞の実績や芸術活動のみの収入で安定して生計を立てられる場合は取得できる可能性があります。
芸術ビザ(アーティストビザ)の取得
芸術ビザは、創作活動を行う作曲家、作詞家、画家、著述家、写真家など芸術家や、バレエやHIPHOPダンスの講師など音楽や美術、演劇、舞踊、映画などの芸術上の活動についての指導を行う外国人が該当します。
芸術ビザは、芸術活動のみの収入によって日本で安定的な活動を営むことができる必要があるため、展示会への入選などの相応の実績や、芸術上の活動の指導者として相当程度の実績、十分な報酬・収入が求められます。
芸術ビザの要件
芸術ビザを取得するには、1)活動内容が芸術の在留資格の活動であること、2)芸術活動のみで十分な収入(報酬)があること、3)芸術活動の相当程度の業績が認められること(展覧会入選などの受賞実績やクライアントとの安定的契約など)といった要件を満たす必要があります。
2)芸術活動のみで十分な収入(報酬)があること
3)芸術活動の相当程度の業績が認められること
(展覧会入選などの受賞実績やクライアントとの安定的契約など)
(1)芸術ビザで認められる活動(対象職種)
芸術ビザの対象職種は、「収入を伴う音楽・美術・文学その他の芸術上の活動」に限定されます。例えば、1)創作活動をする作曲家、作詞家、画家、演出家、振付師、著述家、写真家などの芸術家、2)バレエやHIPHOPダンスなどの音楽・美術・文学・写真・演劇・舞踊・映画などの芸術活動について指導を行う人(先生・講師)が該当します。
ただし、歌手やタレント・ダンサーなどが、ライブハウスやコンサート会場などで芸能を公衆に見せることなどによって収入を得る「興行」の形態で行われる芸術活動は該当しません。
○ 創作活動をする作曲家、画家、振付師、写真家などの芸術家
○ 音楽・美術・演劇などの芸術活動について指導を行う人(先生・講師)
【対象とはならない職種】
× 観客の前で興行する歌手・ダンサー・ピアノ奏者・俳優など
「芸能活動」や「演奏活動」は芸術活動に近い面もありますが、芸能を公衆に見せるなどして収入を得ることを目的とする興行の形で行われるものは「芸術ビザ」でなく「興行ビザ」に該当します。例えば、興行の形で行われるオーケストラの指揮者は芸術活動であっても興行ビザに該当します。なお、収入の伴わない芸術活動は「文化活動」に該当します。
(2)芸術ビザが認められる十分な報酬とは
(3)芸術活動の相当程度の業績とは
芸術活動の相当な業績とは、各分野での展覧会入選などの受賞実績やクライアントとの安定的契約などが該当します。音楽大学や美術大学などの芸術に関する学位を有しているなどの学歴は問われません。芸術活動の業歴年数も問われません。しかし、芸術活動のみで相当金額以上の報酬を安定的に得るためには、業界にもよりますが、相応に実績や年数を積んでいること(所謂それなりに売れっ子)が多いように見受けられます。
コンチネンタルの芸術ビザ・コンサルティング
コンチネンタルでは、芸術ビザ取得のための要件定義、申請人が主張立証すべき事項や方法についてコンサルティングを行なっています。芸術ビザは、入国管理局から認められうる芸術活動の収入金額や芸術活動の業績のボーダーラインなどが、それぞれの芸術家や活動の容態によって異なり難しいため、個別の事情に応じてアドバイスをしています。ご相談がありましたら遠慮なくお問い合わせください。
在留資格申請手続き:145,000円(税抜き)
ご相談:30min/5000円(税抜き)※手続きをご依頼いただく場合は無料
(ご参考)興行ビザとは
興行ビザは、演劇、音楽、スポーツ、サーカスなどを公衆に見せるなどして収入を得ることを目的とする興行にかかる活動やアイドルその他の芸能活動をする外国人に与えられる在留資格です。外国人本人と興行主の双方に基準があり、外国人本人は、2年以上の外国での職業芸能人として興行活動に従事した経験があること、または、外国の教育機関で活動に関連した科目を2年以上専攻している必要があります(ただし1日の報酬額が500万円以上の興行活動の場合にはこの要件は不要)。
また、その人を招聘する会社も、外国人興行の実務経験を3年以上有する経営者がいることや、5名以上の常勤職員がいることなどの条件があります。その他にも興行する施設に求められる要件などもあります。
(ご参考)文化活動ビザとは
文化活動ビザは、1)収入を伴わない学術上もしくは芸術上の活動、2)日本特有の文化または技芸についての専門的な研究活動、3)専門家の指導を受けて、日本特有の文化または技芸を修得する活動のいずれかを行う在留資格です。
これらの活動やそれに関連する、関係団体からの推薦状、過去の活動に関する報道、入賞、入選などの実績などの相応の経験や実績があることが必要となります。
また、文化活動ビザは無報酬で活動するビザですので、在留期間中の生活費を支弁する方法(資産や奨学金)が求められます。その他、専門家の指導を受けて、日本特有の文化または技芸を修得する場合には、その指導する側である専門家にも、指導するだけの知識や技術、実績などがあるかどうかも重要なポイントになります。
(ご参考)技術・人文知識・国際業務ビザとの関係
音楽や美術、グラフィックなどの専門知識を活かして、音楽制作会社、グラフィック関連の会社で音楽制作やグラフィックデザインの仕事をすることも想定されます。その場合は、技術・人文知識・国際業務ビザを取得することになります。
これは日本人も同様ですが、大学卒業後に、すぐに芸術活動やミュージシャンや俳優女優として興行で生計を立てることはができるケースは少ないため、専門性を生かして技術・人文知識・国際業務で就職をするケースが最も多いと感じています。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)・日本証券アナリスト協会検定会員
無料で相談してみる
コンチネンタルLINE@ではホームページには書いていないニュースやBlogを配信しています。この機会に是非友達追加を!!もちろんLINE@からのご依頼もOKです!