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【2020年版】技術人文知識国際業務ビザ(就労ビザ)/はじめての外国人採用

はじめての外国人スタッフの採用
就労ビザの王道:技術・人文知識・国際業務ビザ


 

外国人が日本で企業等に勤務して働く場合に最も多いのが技術・人文知識・国際業務の在留資格です。それぞれの頭文字を取って「技人国(ぎじんこく)」と呼ぶことがあります。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動は、前提として、学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的技術又は知識を必要とする活動又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性に基づく一定水準以上の専門的能力を必要とする活動でなければいけません(法務省)。

簡単にいうと、大学等の高等教育で得た専門的知識(=大卒者等)がその素養を活かして、専門的技術的な職種(所謂ホワイトカラー職種)で働くための在留資格といえます。

 

入管法 別表第一の二の表の下欄
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項,芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで,企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く)。

 

本稿では「はじめて外国人を採用する企業や事業主」のために、技術・人文知識・国際業務の在留資格の実務上の要件や注意点を解説しています。

どのような職種が該当するのか?

技術・人文知識・国際業務の在留資格では法令上:①技術(理系)や人文知識(文系)の分野の「学術上の素養」または②「外国人ならではの思考や感受性」をに基づく一定水準以上の専門的能力を必要とする業務が該当すると定められています。理系や文系の学術上の素養や外国人ならではの感受性が必要な具体的職種については、その線引きは難しいところ、現在の入国管理局の運用では下記のような職種が該当する旨が例示されています。

例示的には、技術者やITエンジニア、経営企画・経理財務・総務人事などの金融専門職、翻訳通訳や海外マーケティングなどの職種が該当するとされています。

一方で、技術や人文知識の学術的素養や外国人としての思考や感受性に基づく一定水準以上の専門的能力を必要とする必要とする職種は認められない(=技術・人文知識・国際業務には該当しない=入管法上では単純労働とみなされる職種)とされる職種例は、入国管理局が例示している不許可事例及び実際の不許可事例から、以下の通りです。飲食業コンビニエンスストアホテル・旅館業小売・販売業電気工事業などに従事する職種は、原則所謂肉体労働や単純作業と目され、入管法上の技術・人文知識・国際業務の在留資格の対象とはならないとされています。他方で、それらの業種であっても、特定の職務内容であれば認められることもあります。

技術・人文知識・国際業務の在留資格の活動内容に概要する職務内容であることは、形式的な職種の名称ではなく実質的な職務内容が審査されます。そして、適法な職務内容であり、かつ、その職務内容の頻度や十分な業務量であることも求められます。つまり、入国管理局は、実態として専門的技術的な知見/または外国人としての思考や感受性が必要な専門的な職務内容か、その職務はどのくらいの頻度や業務量があるのかを確認します。

※実際の入国管理局の審査対応においては、特に単純作業等と見做されるおそれのある職種の場合、専門的知識を必要とする職務内容であること、そして、その業務量について明確に立証していかなければなりません。

 

 

技術・人文知識・国際業務の要件

技術・人文知識・国際業務の在留資格の取得には以下の6つの要件を満たす必要があります。

【要件】
①専門的な知識・素養の必要な職種であること
②職務に関連するが学歴や職歴を有していること
③日本人と同等額以上の給料が支払われること
④会社と外国人の間で雇用契約等の契約が結ばれていること
⑤雇用する会社の経営状態が安定的であること
⑥外国人が法令を遵守し犯罪等を起こしていないこと

(1)専門的な知識や素養が必要な職種であること

先述の通り、技術・人文知識・国際業務では、学術的な専門知識や外国人ならではの素養が必要な一定以上の専門的職種にしか認められていません(=入国管理局からいわゆる単純労働とみなされる職種では認められません)。これらは職務内容の実態をもって判断されます。

十分な業務量が必要

求められている専門的に知識や素養が必要な職務は、十分な業務量が確保されているかという点です。例えば、「商学部で会計学」を専攻した留学生を「経理財務」の職種で採用しようとする場、経理財務の仕事を「主たる仕事」にできるだけの十分な業務量が確保されていることが必要になります。

例えば、全体の仕事の中で、飲食店のホール係の仕事が8割、経理部での会計記帳の仕事が2割では経理財務の職務に十分な業務量があるとは認められず、入国管理局からの許可はおりません。入国管理局からは主たる職務は、飲食店のホール係の単純労働である見做されます。

研修計画とキャリアプラン

また、行おうとする職種に「技術・人文知識・国際業務」に該当しない業務が含まれる場合であっても、それが入社当初に行われる研修の一環であって、今後「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務を行う上で必ず必要となるものであり、日本人についても入社当初は同様の研修に従事するといった場合には、あらかじめ具体的な研修計画等を提出することにより、技術・人文知識・国際業務の在留資格が認められる場合があります。ただし、例えば、ホテルに就職する場合、研修と称して長期にわたって、専らレストランでの配膳や客室の清掃などの「技術・人文知識・国際業務」に該当しない業務に従事するといった場合には許容されません(入国管理局ガイドライン)。

なお、総合職で採用して、採用後に部署移動があり、職務内容が変わる場合には注意が必要です。

(2)職務に関連する学歴・職歴

従事する予定の職務に関連する以下の学歴または実務経験年数が必要になります。

学歴

大学卒業またはそれと同等以上の教育
国内・海外の大学院・大学・短期大学・高等専門学校(高専)が含まれます。

入国管理局の審査では、学位を取得していることと職務と専攻内容の関連性を大学等の卒業証明書や成績証明書をもとに確認していきます。なお、外国の大学等の中には、入国管理局より大学等と認められる場合と認められない場合がありので注意が必要です。(ご参考;外国の短大や3年制大学の卒業生を採用する場合)

ここで大学等での専攻科目と従事しようとしている業務は関連していれば良いため一致していることまでは求められません(関連性の審査が緩やかです)。

専門学校

日本の専門学校(専門士)のみが対象となります。

専門学校の卒業者は大学等の卒業者よりも「専門学校での修得科目」と「従事しようとする業務」との関連性を厳しく審査されます(関連性の審査が厳しい)。

(ご参考)最終学歴が高校卒業の外国人エンジニアを採用する

実務経験
  • 技術・人文知識に関連する職務の場合:10年以上の実務経験
  • 外国人ならではの思想・感受性に関連する国際業務:3年以上の実務経験(大学を卒業した人が翻訳・通訳・語学指導をする場合は実務経験不問)
10年以上の実務経験が必要な場合

最終学歴が高校(High School)卒業の場合など、職務に関係のある大学等または専門学校の卒業をしていない場合には、技術・人文知識に関連する職務の場合には10年以上の実務経験が必要です。この10年間には、大学や高校等でその技術などの専門分野に関連する科目を専攻した期間を含みます。

実務経験の証明は、過去に勤めた会社での在籍証明書などの書面を証拠書類として立証する必要があるため、円満退社をしていない場合など、それらの書類を集めることができない場合には、実務経験年数を証明できず、在留資格を取る事が出来なくなる場合があります。客観的証拠がないと認められません。

3年以上の実務経験

外国人ならではの思想や感受性が必要とされる国際業務(広報・宣伝・海外取引・服飾デザイン・インテリアデザイン・商品開発)であれば3年以上の実務経験で認められます。

なお、大学を卒業した外国人が翻訳・通訳・語学指導をする場合は実務経験不問であることはポイントです。例えば、美術やスポーツ体育を専攻した大卒者であっても、翻訳や通訳、語学学校の教師であれば実務経験なしで従事することができます。

(3)給料の水準

同じ会社に勤めている日本人の従業員と同等以上の水準の給料を支払っていなければなりません。採用当初は、日本語能力が低くネイティブ日本人と同等のコミュニケーションを取ることができない等の事情も考えられますが、それを理由として日本人よりも給料を低く設定することは認められません。

大卒新卒者であれば、その会社の日本人の大卒新卒者と同等として簡単ですが、専門職や研究職などでの中途採用する場合、その人の学歴や職歴、ポストの有無によっても給与水準は異なるため、その会社の給与テーブルや実際の給料を参考にします。

なお、給料の水準は、賞与(ボーナス)などを含めた1年間従事した場合に受ける報酬を12分の1として計算します。この場合、報酬とは「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」 をいい、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除きます。)は含みません(入国管理局ガイドライン)。

(4)会社と外国人の間で雇用契約等の契約があること

「日本に在る企業等と外国人本人との間」で、雇用契約等の「契約」があることが必要です。外国に在る企業等と直接契約している場合は技術・人文知識・国際業務の在留資格では対象となりません。企業が契約する場合に加えて、個人事業主が外国人を雇用する場合も含まれます。雇用契約の他にも派遣契約やフリーランスとしての請負契約、業務委託契約など含まれますが、特定の会社等と継続性が見込ませるものでなければなりません。※外国の企業等との直接契約、または、フリーランスなどで不特定多数の企業等と単発契約を結ぶ場合は経営管理ビザに該当することになります。

既に就職が決まっていることの証明として、雇用契約書や内定通知書等を入国管理局へ提出します。そこには(3)でみた労働条件等を記載している必要があります。(雇用契約書のサンプル)その場合、在留資格がまだ許可されておらず、働けるかどうかがわかりませんので、「本契約は日本政府による就労可能な在留資格の許可または在留期間の更新を条件として発効する」といった条件をつけておくことが一般的です。

(5)会社の経営状態

採用する外国人を安定的継続的に雇用するために、雇用主の経営業態が安定していることが求められます。経営状態については、原則は決算書、場合によっては試算表、事業計画書等の内容が審査されます。

なお、企業は、その企業規模等に応じて、カテゴリー1から4までに区分されています。カテゴリー1は上場会社、カテゴリー2は人件費を概ね年間1億円以上くらい支払う中堅規模以上の未上場企業、カテゴリー3はそれ以外の中小企業や零細事業者、カテゴリー4が新設会社のイメージです。カテゴリー区分によって求められる申請資料の内容や審査期間が異なってきます。

カテゴリー1と言われる上場会社などでは、ほとんど問題にはなりませんが、カテゴリー3の中小企業で、売上高の規模が小体であったり、直近決算が赤字または債務超過である場合などは、雇用の安定性継続性が見込めない恐れが在るとされ審査が厳しくなる傾向があります。その場合、事業計画書を添付して経営状態について説明を行う必要が生じます。

また、新しく立ち上げた会社の場合は、決算をまだ行っていないので、事業計画書の提出が必須となります。各カテゴリーで入国管理局へ提出する資料の一覧はリンクをご参照ください。

(6)外国人の素行が良いこと(前科や法令違反がないこと)

外国人本人の素行が善良であることが前提となります。つまり、本国で重大な犯罪を犯していたり、国内で犯罪行為を犯していないこと、入管法その他の法令を遵守していることです。例えば、オーバーステイをしていないか、留学ビザで日本に滞在している留学生では、アルバイトの就労時間制限(週28時間)の遵守などには注意が必要です。また、離婚して在留資格が変わった場合などの在留カードの記載事項に係る届出、転職をした場合などに所属する機関等に関する届出などの入管法上の義務を履行していることが必要です(入国管理局ガイドライン)。なお、元技能実習生については、技能実習法の目的や過去の入管当局への申告内容ばどが問題になり得ますので注意が必要です。

 

ご参考:不許可事例のケーススタディ

不許可事例を見てみましょう(入国管理局HPより抜粋)。

専修学校(日中通訳翻訳学科)を卒業し,専門士の称号を付与された者から,本 邦の漆器製品の製造を業務内容とする企業との契約に基づき,月額12万5千円の報酬を受けて、中国語翻訳・通訳、漆器の塗装補助業務に従事するとして申請があったが,通訳・翻訳業務については,それを主たる活動として行うのに十分な業務量があるとは認められないこと,漆器塗装は自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とするものとは認められず,「人文知識・国際業務」、「技術」 のいずれにも当たらないこと、申請人と同時に採用され,同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額17万円であることが判明したため,日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けているとはいえないことから不許可となったもの。

このケースでは、入国管理局からは、①中国語の翻訳・通訳は業務量が少なく翻訳通訳は主たる業務と認められないこと、②漆器塗装補助は専門的な技術や知識を活かしたものと認められないこと(=申請した漆器塗装補助の業務は単純労働とみなす)、③そもそも日本人従業員よりも大きく給料も低い、といった典型的な不許可事例です。
※ご参考:不許可になってしまった場合の対応策

もしもですが、このケースで、1)日本でMBAを取得した中国人留学生に漆器製造の老舗業者が、製品の中国への輸出拡大のためのマーケティング業務及び営業を、2)日本人と同等以上の報酬を支払って、申請する場合には許可される可能性が高いかと思われます。もちろん、後付けの理由でなく業務実態を伴っていることが前提です。

 

雇用主の注意点

日本では外国人の不法就労は法律(入管法73条の2)で禁止されています。不法就労は、外国人だけでなく、不法就労させた事業主も不法就労助長罪という罪で処罰の対象となります。また、申請人外国人が虚偽の申請をしたと認められる場合、在留資格等不正取得罪(入管法70条1項)として、3年以下の懲役禁固若しくは3百万円以下の罰金、又はそれらが併科される場合があります。事業主が外国人を雇用する際は「周りの事業者もやっているから大丈夫だろう」などの安易な気持ちで不法就労や虚偽申請とならないよう注意する必要があります。

また、外国人スタッフ採用後の各種手続き等も忘れないように注意してください。

 

(併せて読みたい)在留資格申請を自分で行うリスク(自己申請のリスク)

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)・日本証券アナリスト協会検定会員

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