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経営管理ビザ許可のポイントを15分でマスター【2022年版】

 経営管理ビザ許可のポイントをかんたん解説【2021年版】

近年の入管当局による在留資格審査の厳格化の流れを受けて、経営管理ビザの取得・更新の審査も厳しくなっています。経営管理ビザの審査長期化や不許可が頻発しています。

したがって、事業計画書、理由書、その他の疎明書類などから、事業の安定性継続性や在留資格を認める根拠などについて、従来よりも厳しく審査されるため注意してください。

1. 経営管理ビザとは

経営管理ビザは、外国人が日本で会社を「経営」をしたり、企業の幹部として事業等の「管理」に従事するための在留資格です。

経営管理ビザで経営できる事業の業種・業態

日本国内で適法に営まれている事業であれば、業種や業態に制限はありません。中華料理・韓国料理・ベトナム料理店などの飲食店の経営や、日本製品の輸出などの貿易会社、観光業や不動産業など幅広く取り組むことができます。なお、適法でない事業とは麻薬の売買や賭博、売春などが該当します。

日本で事業経営をすることができる在留資格

外国人が日本で事業経営をすることができる在留資格は、経営管理ビザの他には、活動に制限のない①永住者、②日本人の配偶者等、③永住者の配偶者等、④定住者の4つと、学歴や職歴・年収などに高度な要件が求められる⑤高度専門職の一部に限定されています。

事業経営ができる在留資格

  1. 永住者
  2. 日本人の配偶者等
  3. 永住者の配偶者等
  4. 定住者
  5. 高度専門職の一部
  6. 経営管理ビザ

例えば、技術・人文知識・国際業務ビザで働く会社員や、留学ビザの留学生は、現在のビザのままで会社経営をすることはできません。

したがって、上記の5つの在留資格以外の資格を持つ外国人が、日本で事業の経営をする場合は、通常は「経営管理ビザ」を取得することになります。

どのような時に経営管理ビザを取得するか?

どのような時に経営管理ビザを取得しなければならないかというと、主に以下の3つの場合が考えられます。

  1. 外国人が日本で起業して「経営者」になるとき
  2. 外国人がすでに日本にある企業の「経営者」や「経営幹部」となるとき(社外取締役を含む
  3. M&Aなどで日本の会社の経営権を取得して、外国人がその会社の経営や管理をする場合
経営管理ビザの注意点

経営管理ビザは、入国管理局の審査が厳しく、審査期間に3ヶ月程度(審査が長引けばそれ以上)の期間がかかることに加え、在留資格の申請前に会社を設立したり、あらかじめ事業所用の不動産を確保する必要があるなど、先行費用も多くかかり、在留資格の取得に失敗をした場合、経済的な損失が大きくなります。

また、経営管理ビザの審査が長引いた場合、早く営業が開始できていれば得られた売上高を失い(機会損失)、その間の不動産の賃料や生活費などの費用もかさみます。最終的に不許可になった場合は、不動産費用や会社設立費用などの投資が無駄になってしまいます。

したがって、経営管理ビザを取得できる可能性について、事前に専門家に相談をしたうえで、起業準備を進めることをお勧めします。経営管理ビザで求められる要件に加え、日本での在留状況(学業や各種法令順守など)に問題がないことが条件になります。

 

2. 経営管理ビザの要件

経営管理ビザ取得のためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 独立した事業用の事業所を確保していること
  2. 日本で常勤の従業員2名以上を雇用する or 資本金又は出資の額が500万円以上であること
  3. 事業が安定して継続的に営まれることを事業計画書(日本語の文書)で説明できること
  4. 事業の管理者(部長や支店長又は出資をしていない所謂雇われ社長)として働く場合は、事業の経営・管理についての3年以上の経験が必要、かつ、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を得ること

それぞれの要件には、細かな審査基準があるため、形式的にクリアしていれば良いというものではありません。例えば、事業所と資本金500万円以上を用意し、簡単な事業計画書を作れば、経営管理ビザが認められるわけでは無いのです。

①事業所を確保していること 事業を営むための事業所が日本国内に在ること
②一定以上の事業規模 A)経営管理ビザの申請人以外に、日本に居住する2人以上の常勤職員(※1)が従事していること
or
B)資本金の額/出資の総額が500万円以上であること
(AまたはBに準じる規模と認められること)
③事業の安定性・継続性 事業が安定的継続的に営まれるものと客観的に認められること -事業計画書の内容や決算の状況がポイント
④事業の管理に従事する場合は一定の実務経験と報酬額が必要 事業の管理者(部長や支店長など又は出資をしていない所謂雇われ社長)として働く場合は、事業の経営・管理についての3年以上の経験(※2)が必要
かつ、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を得ること

※1:具体的には日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者が該当(入管法別表第1の在留資格の者を除く)
※2:大学院で経営又は管理に関わる科目を専攻した期間を含む

①事業所を確保していること
  • 事業用の事務所や店舗を予め確保していることが求められます。原則自宅開業は不可です。注意点は、「法人名義での契約」と「使用目的を事業用」にすることです。
  • 不動産物件を契約する時には、未だ会社が設立されていないため、経営管理ビザの申請までに法人名義での契約となるように貸主等と予め調整します。
  • 賃貸契約書の使用目的が「事業用」である必要があります。契約書の内容が審査対象となります。

 

  • また、事業が安定的継続的に営まれるために、事業の運営に必要な設備や事務所の広さが求められます。広さに規定はありませんが、例えば、マッサージ・サロンでベッドを置く広さが必要なところ、それを置くことができない場合は不許可となります。
  • また、注意したい点は、飲食店やネイルサロンなどの店舗ビジネスの場合、店舗内にPCなどで作業する個室が必要です。空いた客席でPC等の作業することやパーテーションで区切っただけでは認められないため、予め個室のある物件を選ぶ、個室を造作する、店舗外に事務所を借りる、ことになります。
【事業所の確保(存在)の基準】

事業活動が事業を行う法人のもとで一定の場所で行われていること

  • 賃貸借契約等の名義が事業を行う会社名義で法人の使用であること
    (個人名義での契約はNG)
  • 使用目的が事務所、店舗等の事業用であること(個人の居宅用はNG)
  • 事業が人や設備を有して継続的に運営されていること
  • 電話、FAX、PC、コピー機など事業に必要な設備を備えていること
  • 月単位の短期間賃貸スペースや容易に処分できる屋台等でないこと
認められる事業所物件 ○賃貸事務所(法人契約)
○レンタルオフィス(独立した個室がある場合)
○インキュベーションオフィス
認められない事業所 ×自宅マンション(広い物件でも不可)  (戸建てで事務所と居宅が完全に分離されているときは認められる場合あり)(※3)
×マンスリーマンション
×バーチャルオフィス
×共同事務所・他の事務所の間借り
×移動式の車両

※3:事業所利用のために借主と事業を営む法人の間で転貸借することについて貸主・借主が認めており、その物件の中で事業用の設備と専用のスペースがあり、その物件に関わる光熱費等について住居用と事業用で明確に取り決めがなされており、看板等で明確に住居部分と事務所部分が分かれていること(例えば、二階建てで1階部分に事務所、二階部分で居住しているような場合)



②一定以上の事業規模
  • 事業の規模は、日本に居住する2名以上の常勤従業員の雇用または500万円以上の出資が必要です。
  • 日本に居住する2名以上の常勤従業員の、日本に居住するとは、「日本人、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者」が該当します。常勤従業員とは、パートタイマー、派遣・請負社員、在籍出向者は該当しません。
  • 出資は、法令上は申請人本人が一人で500万円以上を出資することを求めていませんが、実務上は申請人本人の出資500万円以上が必要です。
  • なお、経営管理ビザを申請する外国人は、事業の経営や管理の活動しか認められず、飲食店で調理や接客を行うこと、ネイルサロンで施術を行うことは認められません。そのため、現場スタッフを申請人外国人とは別に確保する必要があります。なお、出資額500万円以上であれば、2名以上の常勤従業員を雇用する必要はありません。
出資金額を決める際の検討ポイント
  • 出資する金額を決定する際には、①経営管理ビザの要件に加え、②銀行融資等のための自己資金の水準、③税務、④必要となる許認可の資本金要件、等を考慮しながら検討します。
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経営管理ビザ要件の充足
経営管理ビザ:総額500万円以上の出資金額が必要
– 申請人による500万円以上の出資が必須ではないが、実務上は申請人による全額出資が望ましい

例:
× 申請人300万円+事業パートナーA氏200万円=500万
○ 申請人500万円以上

または、日本に居住する2名以上の常勤従業員を雇用
– パートタイマー、派遣・請負社員、在籍出向者は該当しない
– 日本人、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者が該当

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創業融資等銀行融資の自己資金の側面
創業融資制度によっては、事業全体で要する資金の1/10〜1/2の自己資金(=資本金)を準備しているかどうかを要件としている場合がある

事業全体で必要となる金額(自己資金+創業融資の金額)から逆算した資本金を設定すべき

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税金の観点
設立時の資本金が1,000万円未満の場合、原則設立事業年度と翌事業年度は消費税を納めなくても良い
(特定期間の売上高が1000万円を超え、かつ、従業員らへの給与の額が1000万円を超える場合等には課税事業者となる場合がある)

法人住民税の均等割は資本金が1000万円を超えると年額7万円→16万円へ増額される

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必要な事業許認可の資本金要件
開始する事業によっては許認可が必要となり、その許認可の要件に資本金要件がある場合にはその金額を満たす必要がある

例:人材派遣業 2,000万円 など

出資金の形成過程についての説明

申請人の自己資金だけでは500万円が用意できない場合に、両親や親族などからお金を借りるケースも実務上多く見受けられます。親族等から資本金を借りる場合であっても経営管理ビザは取得できます。

ただし、親族等との関係性を示す書類や、金銭消費貸借契約書、送金記録、親族等の収入や財産の分かる証拠書類を入管当局へ提出し、出資金の形成過程を証明する必要があります。出所の分からない所謂「見せ金」と目されるものは認められません。なお、出資した資本金は経営管理ビザ申請前に事業に使って構いません

立証する書類の例
金銭消費貸借契約書(注意)
・送金記録
・親と申請人との関係を証明するための「親子関係公証書」
・親の在職証明書
・親の納税証明書
・親の銀行口座からお金を引き出したことがわかる預金通帳のコピー
・現金を持ち込んだ際の出入国歴がわかるパスポートのコピー

 

③事業の継続性・安定性

事業の継続性・安定性は、事業計画書で入国管理局へ説明することになります。事業の適正性、経営・管理に実質的に従事できる事も併せて説明します。

なお、当局に事業計画を説明するため面談はありません。したがって、日本語で書かれた事業計画書や理由書の書面だけで、審査官の理解を得る必要があります。日本語が得意な場合でも、事業計画書の作成に慣れている人は少ないため、審査で必要な事項をしっかり説明できないと審査に不利です。

筆者は、金融機関で1000件以上の事業計画書を見てきましたが、読んだだけで納得できるものは10社中1~2社です。日本人の現役の企業経営者が作成しても、多くは金融機関が納得できる水準ではないため、これから事業を始めようとする外国人は尚更難しいでしょう。

また、経営管理ビザの更新のときにも、損益と財務の状況が審査され、赤字決算の場合には、新たに事業計画書を作成し、事業の継続性・安定性を説明します。

在留資格該当性
経営・管理に実質的に従事していること ・事業開始の経緯
・事業内容の具体性
・株式や事業に投下している資金(出資割合)とその出所
・申請人の会社組織での役職と具体的な職務内容
(企業規模や他の経営幹部との比較でその妥当性を検証)
事業の適正性 ・日本において適法に行われる業務であれば業種に制限なし
・必要な許認可がある場合はそれを取得していること
・労働者を雇用している場合は労働保険、社会保険に加入すること
・原料や商品の仕入れ販売ルートが適正なものであること
事業の安定性・継続性 ・在留期間の途中で事業が立ち行かなくなる等、在留活動が途切れる
ことが想定されるような場合は「経営・管理」の在留資格に該当す
る活動を行うものとは認められない

(事業の安定性の点で考慮されるポイント)
・売上高(商品・サービス・取引先別)、経費、利益、
従業員数等の係数の推移と見通し
・合理的な前提に基づく具体性のある業績予想数値
(具体的な営業品目、取引先など)
・事業が安定的に立ちゆく理由
– 販売ルート、仕入れ、価格設定、コスト
– 特殊なノウハウや知識、人脈、業務経験など

→上記のポイントを主張立証するうえで事業計画書は大変重要

 

起業の理由/事業の実現可能性を示す経歴

審査が厳格化するなかで、法令には明記されていないものの、起業の理由や、事業計画と関連する本人の経歴が重視されています。日本に居たい/居させたいだけ、などの理由から経営管理ビザを利用していないか、本当に事業を安定的継続的に営むことができるかという観点です。外国人の親や子、兄弟姉妹留学生が申請人となる場合は、特に注意すべきです。

したがって、経営者の履歴書や申請理由書、事業計画書、証拠資料(取引先との基本契約書など)が細かく審査されます。



経営管理ビザの審査期間

経営管理ビザの審査期間は、一般的には申請から結果まで、約3ヶ月前後かかります。また、当局から追加して書類や説明を求められた場合、当局の繁忙期にはそれ以上かかる場合もあります。

なお、経営管理ビザの一般的な流れは、①全体のスキーム設計→②会社設立→③許認可取得→④経営管理ビザ申請のための準備(証拠書類の収集や事業計画書作成)→⑤入国管理局へ申請→➅審査→⑦追加書類等の徴求→⑧許可・不許可の通知、の流れになります。従って、全体のスキーム設計から会社設立に1ヶ月くらい、経営管理ビザの申請書類の準備に1ヶ月くらい、申請から許可通知まで3ヶ月くらいとするとが4-5ヶ月くらいが1つの目安ですが、許認可の取得の有無や案件の審査状況によって、より時間がかかる場合もあります。

従って、事業の開始までのスケジュールやそれまでの資金の計画には予め少し余裕を持って計画をしておくべきです。

 

 

コンチネンタルのサービス

村井将一(むらい まさかず)
外国人専門起業支援プロデューサー。
~外国人の起業ビザから資金調達までスタートアップを徹底的に支援~
起業のためのビザの不許可・審査長期化のリスクを専門家が極限まで低減。

1977年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米Morgan Stanleyのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に18年間従事。在職中500人を超える起業家や上場企業経営者に対して事業計画や資本政策などの財務・資本戦略についての助言を実施

専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。趣味は、日本人アイドルのコンサートとディカプリオ映画と猫と遊ぶこと

公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員・CFP(日本FP協会)
MBA in Entrepreneurship(Hosei Business School)

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