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不動産投資業で経営管理ビザを取る

日本で民泊や不動産投資業を営む予定の中国人です。経営管理ビザを取得することはできますか?

賃料収入で事業経費と役員報酬を十分まかなえることのほか、財務的にも注意すべき点が多くあります。

 

 賃料収入で事業経費をまかなえること

不動産投資業で経営管理ビザを取得するためには、不動産投資物件の賃料収益で事業経費をまかなえることが必要です。従って、役員報酬(最低240万円以上)、自宅以外の事務所賃料、物件の管理費用その他経費をまかなう必要があるので、大まかに言えば800万円以上くらいの賃料収入は欲しいところです。日本の不動産の利回りを4%前後と仮定すると2億円(200mil. USD)以上の物件の所有が1つの目安になります。

そして、この賃料収入の水準は、借入金がある場合、その返済金を除いた純キャッシュフローベースです。

日本以外の国では不動産価格の投機的な高騰で利回りは急低下しており、日本マーケットでの投資は比較的安定的な収益を生む投資でもあります。また、インバウンド観光客の増加などで、民泊など宿泊業は活況を呈しています。

さらに、改正旅館業法や改正建築基準法による規制緩和により、民泊施設の簡易宿所への移行で、民泊で認められた年間最大180日の営業日数が年間365日まで拡大できる可能性もあり、ビジネスチャンスとしては広がっています。

 注意すべき点

不動産投資業で経営管理ビザを取得するに際し、注意すべき点は以下の通りです。

1)不動産物件取得時に大きな費用がかかルため債務超過には注意

日本での不動産物件の取得時には、物件価格のみに目がいきがちですが、物件価格はP/Lでは減価償却にしかインパクトがなく、不動産仲介手数料や不動産取得税、物件の建物減価償却など多額のコストが財務諸表(F/S)を圧迫します。また、物件の取得時期やそこから賃料が発生するまでのタイムラグも考えると、経営管理ビザで求められる資本金500万円ではそれらのコストですぐに食いつぶされてしまい、債務超過になってしまうこともよくあります。

物件取得は一般的には、オーナーの個人貸付けが大半ですので、自分の個人マネーで物件に投資するのだからなんら問題ないと思ってしまいがちですが、実は会社のF/Sには大きな影響を与えています。

債務超過になると、ビザ更新の際に公認会計士や中小企業診断士などの企業評価を行うことができる公的資格を持つ第三者の専門家によ梁文俊、今後1年以内に債務超過を解消する見込みについての意見書をもらう必要があります。(費用は概ね15万円〜30万円程度かかります)

債務超過が2年連続続くと、経営管理ビザを更新することができなくなってしまいます。

従って、資本金を大きくしたいところではありますが、資本金を1,000万円以上とすると消費税を2年間免除されうる特例を使えなくなりますので、取得予定の物件に関わる経費やその年に見込める収益などを計算しつつ、顧問税理士ともよく相談して決定する必要があります。

一方で、収益を確保していくためには、新規投資が必要ですので、現実的には、増資や債務免除、DES(デットエクイティスワップ)による収益拡大のためには自己資本の増強をしていかなくてはいけません。

2)不動産投資業は銀行法人口座を開設しづらい

また、不動産投資業は銀行の法人口座を開設しづらいことが多く見受けられます。日本の銀行が不動産業に対して慎重であることに加えて信用力のない(=経営管理ビザは当初1年の在留期間しか認められないため在留期間の不安定さがあります)外国人に対しては、「総合的判断」により口座開設をしないとする銀行も多数あります。

「総合的判断」であるため、なぜダメだったかの理由を知ることはできません。
(私も金融機関勤務の時にまれに「総合的判断」で取引を断っていました。総合的判断の内訳を言うことはできませんので、何を言われてもオウムのように「総合的判断でございます」を繰り返すだけです。)

HPなどに記載されている資料だけでなく、事業計画書や経営者の経歴書、母国には多額の預貯金がある証明などの個人の財産的背景などプラスになる面を積極的に訴求していくことが肝要かと思います。

 不動産投資業で経営管理ビザを取るためには

不動産投資業で経営管理ビザを取得し、更新していくためには上記のような留意点があります。また、最近では、ビザ全般の審査の厳格化により経営管理ビザの取得も難しくなっています。具体的には、事業の安定性継続性を判断するために事業計画や外国人本人の適格性や素行などが以前よりも厳格に審査されます。

確実に経営管理ビザを取得し、それをその後も更新していくためには、当初から不動産投資業に詳しい税理士や行政書士などの専門家とタイアップして事業計画を考えていく必要がありますが、ご自身での申請を妨げるものではありません。

ビザ取得または更新で心配な時はぜひご相談ください。

NOTE: なお、当事務所のサービスを受けずにご自身で申請される方には、その具体的手続きや疎明資料、疎明方法などについてはアドバイスはしておりませんので予めご了承ください。

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。

在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。

入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Plannner)
日本証券アナリスト協会検定会員

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