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海外居住の外国人を取締役として招きたい日本企業の方へ

海外在住の外国人経営者を取締役として選任したいです。日本で開催される取締役会にしか参加しませんが、在留資格は必要でしょうか?

外国人の役員が日本企業と契約をして、日本企業から報酬が得る場合、経営管理ビザを取得する必要があります。

 

 

 短期滞在ではなく経営管理ビザが必要

昨今、コーポレートガバナンスコードで取締役に多様な人材を取り入れることなどが推奨されていることから、上場企業では女性取締役や外国人取締役の選任が増えています。自社の事業領域で権威とされる研究者や有識者、企業経営に深い知見を有する経営者、弁護士や会計士などの専門家などが起用されることが多くありますが、その対象者が「海外在住の外国人」であることも少なくありません。

そのような海外在住の外国人を取締役として選任したい場合は、どの在留資格(ビザ)が必要となるでしょうか?日本で行われる取締役会に数カ月に1度しか参加しない場合はどうでしょうか?

通常、日本の上場企業の取締役となるため、その外国人は当該上場企業と取締役としての委任契約等を結び、当該上場企業から役員報酬が支払われることとなります。

一見すると、年間数回から12回くらい、一度につき数日しか日本に滞在しないので、短期滞在ビザで良いような気もします。例えば、査証免除国出身で短期間であれば短期滞在ビザの申請の必要もなく自由に出入国できていた方などは、ご本人も「これまで私はそうしてきた。何も問題無い。」と考えている場合もあるかもしれません。

しかし、結論からいうと、入管当局では「経営・管理」の在留資格(経営管理ビザ)が必要としています。

経営管理ビザが必要な場合(入国管理局 審査要領)
●日本の会社と雇用契約または委任契約を結び、経営または管理の仕事をする場合
●日本の会社から報酬を得る場合

短期滞在では、雇用契約をすること、報酬を得ることができないため、たとえ、取締役会のために1回に数日間だけ、年間30日未満程度しか日本に滞在していなくても、日本の上場企業等と契約を結び、日本の上場企業から報酬を受け取る場合は、経営管理ビザが必要になります。

 

 日本での住居地がない・・・

ここで、当該外国人役員の生活の本拠は本国にあるため、日本に住所がないことが問題となります。入管法では、上陸後14日以内に住所の届出をする義務があり、90日以内に正当な理由なしに住所の届出をしない場合は、在留資格の取り消しになるとしています。また、在留カード表面又は裏面の住居地の記載が無い場合、在留資格の更新が出来ない可能性もあります。他方で、便宜上、日本で住所を作ると税務上住民税などを日本で支払わなくてはならないなどの問題も生じ得ます。

この場合、入管庁では、居住地を定めなくても在留資格の取り消しを行わない具体例として、本件のような状況も例示しています。

住居地の届出を行わないことに正当な理由がある場合等在留資格の取消しを行わない具体例について

ただし、所属している企業や本人の経歴、正当な理由と認められる事実などの個別の事情が総合的に判断されるため、必ずしも認められるか否かはわかりません。また、住居地の届出については、当局から個別に指導される場合もあるため注意が必要です。個別の状況に応じて判断されることも多いため、具体的な点については入管庁または専門家に相談されることをご推奨します。

 

 

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。

在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。

入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)
日本証券アナリスト協会検定会員

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