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特定技能(介護)ビザと介護業界

特定技能(介護)ビザの誕生で業界はどう変わりますか?また概要と要件を教えてください?

「特定技能(介護)」により外国人介護スタッフの大幅増が期待されています。制度開始当初は技能試験を受験する必要がありそうです。

 

 介護業界で働く外国人

介護業界は、かねてより人手不足問題から、2008年には経済連携協定(EPA)で外国人の介護スタッフの受け入れを開始しました。その後、2017年に「在留資格介護」が追加され、同年、「技能実習」においても介護スタッフの受け入れがスタートしました。つまり、介護の在留資格では「特定活動(EPA)」「介護」「技能実習(介護)」「特定技能(介護)」の4つが存在することになります。

しかしながら、EPA介護や在留資格「介護」は、受け入れ側の人材教育費用や、外国人本人に課される介護福祉士試験の合格などのハードルも高く、2つの在留資格を合計しても現時点で1000人弱しかおらず、大規模な人手不足を補うには至りませんでした。そこで今般の5年間で6万人を受け入れるという特定技能(+技能実習生からの移行)は注目される施策でもあります。

介護業界は人手不足の人数が最も多く見込まれているため、特定技能ビザの運用によって、今後、実際にどのような流れになるか注目されるところです。

 特定技能介護は「当初」技能試験を受ける必要がある

特定技能で認められる14業種のうち、外食産業と宿泊業のみが既存の技能実習制度で認められらた業種ではありません。特定技能ビザは、技能実習2号を良好に終了した人は無試験で特定技能ビザへ移行できるようになっており、当初はその技能実習を終了した人たちが無試験でスライドしていくことが想定されています。ただし、技能実習制度の対象外であった外食と宿泊だけは、所管する省庁が実施する特定技能ビザに関する試験を受けて特定技能ビザを許可するという流れになることになりました。

他方で、介護の技能実習は平成29年にスタートしたばかりです。技能実習は1号が1年、2号が2年が終了までにかかるため、技能実習2号の修了までに合計3年がかかります。したがって、介護は、2019年4月からの制度スタート時は技能実習2号を良好に修了した人が存在せず、特定技能ビザを取るためには原則全員が試験を受ける必要があります。

 特定技能(介護)を取得するには

特定技能(介護)を取得するためには、介護の特定技能評価試験に合格、または介護福祉士養成施設修了を以て在留資格を申請する必要があります。

日本語能力においても、国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上に加えて、介護日本語評価試験という試験が追加して課されています。これは他の職種には見られないものです。日本語試験N4レベルは高い水準を求めるものではありませんが、「介護日本語評価試験」 を通じ、介護現場で介護業務に従事する上で支障のない程度の水準の日本語能力を確認するとしています。

【特定技能試験(介護)を合格すること】

  1. 「介護技能評価試験合格」または「介護福祉士養成施設修了」

  2. 「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験N4以上」に加え、「介護日本語評価試験」が課されます。(介護福祉士養成施設修了者は日本語試験免除)

【介護分野の技能実習2号を終了していること】

  • 介護の技能実習の開始は2017年のため、現時点で、介護の技能実習2号の終了者は存在しません。

 

 試験の概要
A.介護技能技能試験

介護の技能試験は、31年4月より海外で年5-6回程度、国内は未定(検討中)で、試験実施国の現地語で行われる予定となっています。試験の運営は当局が指定した試験実施団体に委託されます。テストセンターでコンピュータを使用して出題、解答するもので、受験者は、ブースで、コンピュータの画面に表示される問題をもとに、画面上で解答するコンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式で60分間(45問)実施され、合否は試験後2週間から1カ月で公表される予定です。

国際交流基金日本語基礎テストを実施することとされた9か国(ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル)のうち、国際交流基金日本語基礎テストの実施環境等が整った国から順次実施していきます。なお、受験資格者は17歳以上の者です。

B.国際交流基金日本語基礎テスト

国際交流基金日本語基礎テストの試験言語は、試験実施国の現地語となり、コンピューター・ベースト・テスティング(CBT)方式で行われます。 2019年度は、実施回数は一年度あたり国外で5回が計画されています。「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクション(約60問、受験時間は60分間)で構成されています。

試験の実施地域は、平成30年12月25日外国人の受入れ・共生に関する関係閣僚会議決定に定める9か国(ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル)とし、実施環境が整った国から順次実施していきます。

C.介護日本語評価試験

介護日本語評価試験に使用する言語は、日本語で、指示文は試験実施国の現地語となります。2019年度は国外5~6回程度が予定されています(国内は未定)。介護現場で介護業務に従事する上で支障のない程度の水準の日本語の試験となっており、コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式で試験時間30分、問題数15問(介護のことば(5問)、介護の会話・声かけ(5問)、介護の文書(5問))から構成されています。合否は、試験後2週間から1カ月で公表されます。

試験の実施地域は、国際交流基金日本語基礎テストを実施することとされた9か国(ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル)のうち、国際交流基金日本語基礎テストの実施環境等が整った国から順次実施されます。受験資格者は17歳以上の者です。

なお、介護福祉士養成施設修了者は一連の日本語能力に関する試験が免除されます。

D.技能試験・日本語試験の免除者(EPA介護福祉士候補者)

EPA介護福祉士候補者として入国し、4年間にわたりEPA介護福祉士候補者として就労・研修に適切に従事した人は、一定の要件のもと「特定技能1号」の決定に当たり、技能試験・日本語試験が免除されます。介護福祉士国家試験に合格できなかったEPA介護福祉士候補者が対象となります。

E.国内試験の対象者

国内で試験を実施する場合、①退学・除籍処分となった留学生、②失踪した技能実習生、③在留資格「特定活動(難民認定申請)」により在留する者、④在留資格「技能実習」による実習中の者については、その在留資格の性格上、当該試験の受験資格を認めないとしています。

 特定技能(介護)は訪問介護には従事できない

業務内容は、身体介護など(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助など)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)とされており、訪問介護等の訪問系サービスにおける業務は対象としていません。そして、直接雇用のみで派遣形態は認められていません。

 

 特定技能(介護)を雇用する所属機関の義務

特定技能ビザで働く人の所属機関には以下のような義務が課せられています。

  1. 事業所で受け入れることができる1号特定技能外国人は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること。
  2. 特定技能所属機関は、厚生労働省が組織する「介護分野における特定技能協議会」 (以下「協議会」)の構成員になること。
    →厚生労働省への協議会加入手続は、特定技能(介護)外国人を受け入れた日から4ヶ月以内
    →以後、1号特定技能外国人を受け入れる場合は、協議会が発行した証明書の写しの添付
  3. 特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。
  4. 特定技能所属機関は、厚生労働省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。

 

 特定技能人材の受入れ人数上限

介護分野では事業所で受け入れることができる特定技能(介護)の外国人は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数を超えることができません。

日本人等の常勤介護職員:日本人及び、在留資格「介護」、「特定活動(EPA介護福祉士)」、「永住者」「日本人・永住者の配偶者等」、「定住者」「特別永住者」を含む
 人手不足が解消されたら

人手不足が解消された場合、厚生労働大臣が、有効求人倍率等の公的統計等の客観的指標等を踏まえ、人手不足の状況の変化に応じて運用方針の見直しを行い、向こう5年間の受入れ見込数(60,000人)を超えることが見込まれる場合には、法務大臣に対し、受入れの停止の措置を求めるとしています。

なお、今回の受入れは、介護ロボットやICTの活用などによる5年間で1%程度(2万人程度)の生産性向上及び 処遇改善や高齢者、女性の就業促進等による追加的な国内人材の確保(22~23万人)も同時に行う予定です。
(=だから過大な外国人の受け入れ人数ではないという説明をしています)

また、受入れの停止の措置を講じた場合において、当該受入れ分野において再び人材の確保を図る必要性が生じた場合には、厚生労働大臣は、法務大臣に対し、受入れの再開の措置を求めることになっています。
(=介護人材は日本の景気が好況時に集めにくく、不況になると比較的集めやすい特徴があります)

 

 特定技能での在留中に介護福祉士資格に合格すれば永住への道も?

「新しい経済対策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)において、「介護分野における技能実習や留学中の資格外活動による3年以上の実務経験に加え、実務者研修を受講し、介護福祉士の国家試験に合格した外国人に在留資格「介護」を認めること」とされており、現在、法務省において法務省令の改正に向けて準備中のようです。

介護福祉士の国家試験に合格し、在留資格「介護」への資格変更ができれば、家族(配偶者・子)の帯同が可能となり、また、在留期間更新の回数制限がなくなることから、将来永住権を取得できる可能性もでてきます。

 具体的な手続きについては当サイトで告知します!

実務運用面では不明点が多い制度ですが、このサイトでは、随時情報をアップデートしていきます。
特定技能ビザ・登録支援機関は、まだ具体的な手続きや運用は不透明なことが多いため、私のLINE@に登録していただければ、制度情報のアップデートや特定技能ビザ・登録支援機関などの設立アドバイザリーについてなどをおしらせしたいと思います。

19年9月17日(火)に特定技能&登録支援機関に関するセミナーを開催します!(詳細はこちら

(ご参考)特定技能ビザのかんたん解説
(ご参考)わかりやすい特定技能ビザの要件
(ご参考)特定技能外国人の雇用後の手続き

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この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。

在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。

入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Plannner)
日本証券アナリスト協会検定会員

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