【海外在住】配偶者ビザの身元保証人になれる条件と注意点
現在、夫婦で日本国外(海外)に住んでいます。私(日本人)が外国人の妻/夫の配偶者ビザの身元保証人になることができますか?
現在、海外に住んでいる人は、原則、日本に住んでいる親族に身元保証人になってもらう必要があります。
配偶者ビザの身元保証人になる人
配偶者ビザ/結婚ビザ(日本人の配偶者等の在留資格)の身元保証人は、「日本に居住する配偶者(日本人)」となります。日本人の実子・特別養子の場合は、「日本に居住する日本人(子の親又は養親)等」となります。
しかしながら、夫婦ともに海外に居住している場合(=日本に住んでいない場合)は、原則、日本に住んでいる両親や兄弟姉妹などの親族に身元保証人になってもらう必要があります。また、日本に住んでいても無職である、収入が少ないなどで十分な経済力が無いと思われる場合は、配偶者ビザの審査上、日本人である配偶者に加えて、十分な経済力を認められる親族もまた身元保証人とする場合があります。
身元保証人の役割と責任
身元保証人は、「入管法における身元保証人」として、身元保証書に記載されているように、法務大臣に対して「滞在費(=夫婦の生活費用)」「帰国旅費(=在留資格が更新できないなどで帰国することになったときの費用)」「法令の遵守」についての保証を約束します。「入管法における身元保証人」は、民法上の保証人や連帯保証人とは異なり、法的な拘束力はなく、道義的責任を課すものとされています。
例えば、法務大臣に約束する保証事項について、身元保証人に対する法的な強制力はなく、保証事項を守らない(履行しない)場合でも入管当局からの約束の履行を指導するにとどまります。しかし、その場合は、身元保証人として十分な責任が果たされないとして、それ以降の在留資格の申請で身元保証人としての適格性を欠くとされ、その人は身元保証人になることはできません。したがって、いざというときの滞在費や帰国旅費の支弁をするための基礎的な経済力がある必要があります。
この点で、日本人である配偶者が無職または収入が極端に少ない場合などは、基礎的な経済力があるとは認められない可能性があります。そのため、日本人である配偶者に加えて、一定の経済力がある両親や兄弟姉妹などの親族に身元保証人になってもらう必要があります(身元保証人となる人の経済力を立証します)。なお、原則、親族以外の第三者が身元保証人になることは難しいと考えられています。
入管法における身元保証人(出典:出入国在留管理庁)
入管法における身元保証人とは、外国人が我が国において安定的に、かつ、継続的に所期の入国目的を達成できるように、必要に応じて当該外国人の経済的保証及び法令の遵守等の生活指導を行う旨を法務大臣に約束する人をいいます。 身元保証書の性格について、法務大臣に約束する保証事項について身元保証人に対する法的な強制力はなく、保証事項を履行しない場合でも当局からの約束の履行を指導するにとどまりますが、その場合、身元保証人として十分な責任が果たされないとして、それ以降の入国・在留申請において身元保証人としての適格性を欠くとされるなど社会的信用を失うことから、いわば道義的責任を課すものであるといえます。
この記事を書いた人
村井将一(むらいまさかず)
CFP・証券アナリスト・行政書士
1977年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。
専門は配偶者ビザをはじめとする外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。
休日の楽しみは、アイドル現場、散歩、夜ホッピーを飲みながら映画を見ること。ネコたちと遊ぶこと。
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