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配偶者ビザ:別居している場合の許可(ビザ更新編)

外国人との結婚を考えている日本人です。訳があって別居をしていますが配偶者(結婚)ビザを取得することはできますか?

結婚実態を立証するために原則同居が求められますが、合理的な理由が立証できれば別居であっても許可され得ます。

 

配偶者ビザの更新で別居が厳しく審査される理由

配偶者ビザを更新する際に「別居をしていることを理由に、真実の結婚が継続していないとして更新不許可(在留資格の資格該当性を満たさないため)」となることが多くあります。入国管理局の審査要領では、社会通念上の夫婦の共同生活を営むといえるためには、特別な理由が無い限り、同居して生活していることを要する」としています。

ところで、入管当局が疑い恐れる「偽装結婚」の場合、夫婦とされる当事者はあくまで、日本での就労や本国への送金などを目的に所謂配偶者ビザを取るためだけに虚偽の申請をしているだけです。したがって、見ず知らずの男女が同じ家で一緒に暮らすことは不自然ですので、配偶者ビザ(結婚ビザ)を取得した後に、様々なそれらしい「言い訳」を作り出し、結婚している形だけを継続させようとします。離婚をしてしまうと、原則は外国人配偶者が在留できなくなり、偽装結婚の目的である日本での就労や家族への仕送りなどができなくなるためです。外国人によっては偽装結婚のブローカーなどに数万ドルにものぼる手数料を支払っている場合もあります。このような事案が頻発していることからも、入国管理局では別居について慎重な審査をしています。

別居をしている場合の配偶者ビザの更新

入国管理局は「同居していること」を結婚実態の重要な根拠としています。したがって、別居している場合は、別居についての道理的な理由と、結婚実態について相当の立証をしなければなりません。したがって、お金がかかっても、時間がかかっても、頑張ればなんとか同居できるのであれば同居するのが無難です。

ただし、過去の事例を見ると、単身赴任せざるを得ない状況が認められる場合、通学その他の事情で物理的に離れて住まなければいけない場合、その他の合理的な事情が認められる場合は、入管当局からも別居をしていても婚姻実態があるとして認めてもらえる場合があります。ただし、単純にその事実だけでなく、背景にある様々な事実関係を詳しく立証する必要があります。(※後述の裁判例をご参照)

【過去に認められたシチュエーション】
・日本人女性妻が大阪の持ち家在住で母親の介護、結婚時、米国人夫は単身赴任で東京で勤務
・京都の大学に在学中の外国人妻と東京に勤務する会社員夫のデキ婚
・夫婦双方が自宅には帰りづらい距離の地域等で事業を営んでおり週末婚を余儀なくされている
・刑務所に服役中(かなりレアケースです)
住民票の住所さえ同じならば良いのか?

なお、住民票を同じ住所にしていれば同居と認められるわけではありません。住民票が同じ住所でも、居所(実際に居るところ)が異なること場合、在留資格申請書に「同居」しているとして申請したことが虚偽申請にあたるとして、入管当局から訴えられる事案もありますので十分に注意してください。入管当局による実態調査や各種公的資料、通報などから住民票住所と異なるところで生活をしていることが露見します。

 

別居中のビザ更新に関わる裁判例

判決:京都地判平27.11.6
【判示】
「(略)我が国においても、婚姻概念が多様化している今日、「同居」のみを(結婚の活動実態として)特別扱いするのは相当ではなく、同居の有無も、婚姻関係に実態があるか否かを判断する一要素にすぎないと考えられる。」

【事件の概要】
外国人女性Aが前夫(日本人・婚姻期間約1年)と離婚し、その6ヶ月後に夫B(日本人)と再婚。夫は妻の10歳年上。
離婚後の在留資格更新申請が別居を理由に婚姻実態を認められないとして不許可となったもの。

日本人の夫が、勤務時間や通勤費用の事情から京都の自宅から勤務先神戸の店舗へ通勤することができず、店の定休日以外は勤務先近くの母親宅に居住(その間は夫婦別居、同居は概ね週に1日)。また、夫は月収10万円程度と収入が低く、引越し代を捻出することを「躊躇し」直ちに同居せずに、お金をためた上で将来1DKの京都の家から広い家に引っ越す計画をしていたもの。

【裁判所は以下の点を理由に婚姻関係の実質的基礎を認めた】
1)結婚に至る経緯が真摯(更新申請だけども現夫とは初の申請)
2)原告(外国人配偶者)と夫(日本人)のLINEのやりとりは真摯な婚姻意思の現れ
3)不妊治療をしている
4)入国管理局から不許可処分後に同居しはじめた

コンチネンタルのサービス

上記の裁判例は、日本人の前夫と離婚してからの短期間の再婚案件で入管当局は慎重に見ざるを得ない案件ですが、日々のメッセージアプリでのやり取りや不妊治療その他の婚姻事実について立証し、裁判所が入管当局の不許可処分の取消等を認めたものです。その他、別居に関する裁判例では、別居していた期間や別居していた居所の鍵の所持、別居時に持っていた生活用品の量、その他家族ぐるみでの付き合い、SNSへの投稿の状況など、が総合的に判断の材料とされたことがあります。

過去、入管当局で蓄積された事例や、裁判所が判示した考え方が、長い間蓄積されています。したがって、個々人の事案により、それらを踏まえて最も効果的な主張立証の方法や疎明の方法を検討していく必要があります。コンチネンタルでは、お客様ごとのシチュエーションに合わせて主張立証・疎明の戦略立案とその実行のお手伝いをしています。ご不安な点がある場合は、是非ご相談ください。

 

(あわせて読みたい)【2020年版】国際結婚の手続きと配偶者ビザ取得の流れ

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で18年間アドバイザリー業務等に従事。

2004年ファイナンシャル・プランナー(FP)の国際ライセンスであるCFP(Certified Financial Planner)を取得。FPとは一人ひとりの将来の夢や目標に対して、お金の面で様々な悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家。CFPは世界24カ国で認められた世界共通水準FPサービスを提供できるプロフェッショナルであることを証明する上級資格です。

FP資格における年金や保険、資産運用、税制、住宅ローン、相続などの幅広い専門知識と長年金融機関で培ったノウハウを駆使しながら、日本人の配偶者等の在留資格(配偶者ビザ)の取得を目指していきます。

CFP(Certified Financial Planner)
入国管理局申請取次行政書士

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