外国人女性との再婚|日本の再婚禁止期間廃止と国際結婚の注意点
外国人女性と再婚します。妻の母国では離婚後すぐに再婚できますが、日本では女性は再婚禁止期間があります。どうなりますか?
夫婦両方の母国の法律を満たしたときに結婚が成立します。日本では女性の再婚禁止期間がありましたが、現在は再婚禁止期間が廃止されました。
日本での結婚の条件
日本人同士のカップルが国内で結婚する場合には民法が適用されますが、日本人と外国人のカップルが結婚する場合については、夫婦各当事者の本国の法律によることになります(法の適用に関する通則法24条1項)。そのため、婚姻の実質的な成立要件を満たしているかどうかは、夫と妻のそれぞれの本国法を確認する必要があります。日本では、以下のような結婚に関する条件が法律で定められています。
①男性は満18歳以上、女性は満18歳以上(2022年4月1日より)
②重婚でないこと
③
④近親婚でないこと
⑤直系姻族間の婚姻でないこと
⑥養親子の結婚でないこと
この中で③の待婚期間(再婚禁止期間)は、以前は日本では再婚女性は、前婚の解消又は取り消しから100日を経過した後でならないとされていました。(ただし、離婚時に妊娠していなかった場合、離婚後に出産した場合は適用除外規定もありました)。これは、子どもができた場合に前夫の子か、後夫の子かを簡単に判別できるようにするためです。しかし、現在は、女性の再婚禁止期間が廃止されました。(参考:法務省 令和6年4月1日民法等の一部を改正する法律について)
日本では女性の再婚禁止期間が無くなりましたが、待婚期間の定めがない国がある一方で、長い再婚禁止期間を設けている国もあるため注意が必要です。国際結婚において、婚姻の実質的成立要件は、それぞれの国の法律に従うとされていますので、その場合には日本と配偶者の母国の両方の国の法律を満たさなければなりません。
ビザの変更や更新期間に重なってしまったら
状況によっては、外国の再婚禁止期間の間には婚姻手続きができず、現在の在留資格(ビザ)から日本人の配偶者等ビザの変更または、日本人の配偶者等の更新の手続きが重なってしまう事があります。その場合は、①一旦母国に帰国して、日本人の配偶者として新しく在留資格認定証明書で呼び寄せるか、②帰国せずに「短期滞在ビザ(90日、最大で180日)」に変更して再婚禁止期間が経過するまで待ち、期間経過後にすみやかに日本で婚姻届を提出して、日本人の配偶者等のビザへの変更申請する、かの2択になります。なお、必ずしも短期滞在への在留資格変更が認められるわけではありませんので注意が必要です。
前の配偶者も日本人のときの注意点
なお、再婚するときの注意点としては、前婚の相手が日本人だったときです。
その場合、日本人の配偶者等→日本人の配偶者等への在留資格更新の手続になりますが、前婚の日本人配偶者と今回の日本人配偶者は別の人であり、交際の経緯や収入その他の状況が異なるため、在留期間更新手続きではありますが、申請の書類内容(=審査の内容)は新規に在留資格の認定や変更をするときとほぼ同じになります。また、離婚歴が多い場合、離婚から短期間で再婚する場合、偽装結婚などが疑われて審査はとても厳しいものとなることがあります。
(併せて読みたい)国際結婚の手続きと配偶者ビザ取得の流れ
この記事を書いた人
村井将一(むらいまさかず)
CFP・証券アナリスト・行政書士
1977年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。
専門は配偶者ビザをはじめとする外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。
休日の楽しみは、アイドル現場、散歩、夜ホッピーを飲みながら映画を見ること。ネコたちと遊ぶこと。
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