【初心者向け】国際結婚の流れと手続きガイド|配偶者ビザ・名字・国籍の疑問に答えます

外国人の配偶者と国際結婚し、日本で一緒に暮らすには、どんな手続きが必要ですか?

国際結婚後に日本で生活するには、①婚姻手続き と ②在留資格(配偶者ビザ)の申請 が必要です。
国際結婚の婚姻手続きについて
日本人と外国人が結婚し、日本で一緒に暮らすには、日本人同士のように婚姻届を出すだけでは不十分です。必要なのは「婚姻手続き」と「配偶者ビザの申請」です。
婚姻手続きでは、日本の市区町村役場と、外国人配偶者の本国大使館または現地役所での手続きが必要となります。国によって必要書類や認証の方式が異なるため、事前に十分な準備が欠かせません。
アジア:中国・韓国・台湾・香港・シンガポール・モンゴル・ベトナム・フィリピン・インドネシア
オセアニア:オーストラリア・ニュージーランド
欧州:英国・フランス・ドイツ・スイス・オーストリア・アイルランド・イタリア・スペイン・ロシア
米州:米国・カナダ・ブラジル
その他:インド・サウジアラビア
配偶者ビザ(日本人の配偶者等)について
婚姻手続きが完了した後は、「日本人の配偶者等」という在留資格を申請します。これは入国管理局への正式な申請が必要で、結婚の真実性や生活の基盤を示す資料を丁寧に準備する必要があります。
偽装結婚防止の観点から審査は厳しく、申請が不許可となるケースもあります。失敗を避けるには、行政書士など専門家によるサポートが安心です。
国籍の取り扱いについて
国際結婚をしても、日本では自動的に国籍が変わることはありません。しかし、相手国の法制度によっては、二重国籍になる場合や、相手の国籍を取得する必要がある場合があります。
日本は二重国籍を原則として認めておらず、18歳未満で二重国籍となった場合は、20歳に達するまで、または18歳以上で二重国籍となった場合は、二重国籍となった時から2年以内に「どちらかの国籍を選択」する必要があります。放置すると日本国籍を失う可能性もあるため、注意が必要です。
日本国籍女性と外国籍男性が結婚した場合:
1. 国籍に変化なし(手続き不要)
2. 意思表示により相手国籍を取得(要手続き)
3. 自動的に相手国籍を取得(手続き必要)
1のケースのように、結婚しても当然に女性側が日本国籍のままなら、特に手続きは必要ありません。
2つめのケースは、国によっては「何も手続きをしなければ日本国籍のまま、ただし、希望すれば結婚により夫の国の国籍を取得できる」というルールがある国の場合です。この場合、夫の母国の国籍を希望して、その国籍を取得すると、日本国籍は失われることになります。フランスやタイ王国などが有名です。
3つめは、国によってはその国の法律で「妻となる者は夫の国籍を取得する」と定めていることもあり、日本人の女性側が何もしなくとも二重国籍となるケースがあります。イラン、サウジアラビア、ヨルダンなどが有名です。
日本国籍を選択するためには、具体的には「国籍選択届」または「外国国籍喪失届」という書類を、市区町村役場または外国にある日本大使館/領事館に、その他に役所から指定された書類とともに提出します。国籍の選択や離脱の手続については、夫となる人の国の制度などによっても違ってくるため、その外国政府、日本に駐在する外国の公館、または日本の法務局、外国の日本大使館/領事館に相談してください。
名字(氏)の変更について
原則として、国際結婚後も夫婦別姓となります。配偶者の姓を選びたい場合は、婚姻から6ヶ月以内に「外国人との婚姻による氏の変更届」を市区町村役場に届出ることで対応可能です。それ以降は家庭裁判所の申立てが必要になります。
子どもの国籍について
日本は「父母両系血統主義」のため、父か母が日本人なら日本国籍を得られます。父母両系血統主義とは、その国の国籍をもつ父または母の子として生まれた子に、その国の国籍を与える主義です。
しかし、その国で生まれた子に,その国の国籍を与える「生地主義(アメリカ、カナダ、ブラジルなど)」、その国の国籍を有する父の子として生まれた子にその国の国籍を与える「父系優先血統主義(ネパール、インドネシア、中東やアフリカ諸国など)」などの制度を取っている国があります。
パートナーの国によっては、日本で生まれても二重国籍になるケースがあります。日本では二重国籍を認めていないため、二重国籍の子どもは、日本の法律では20歳までに国籍を選択する必要があり、適切な手続きを怠ると日本国籍を喪失してしまう場合があります。
この記事を書いた人
村井将一(むらいまさかず)
CFP・証券アナリスト・行政書士
大手証券会社でM&Aや資金調達のアドバイス業務に従事した後、外国人支援を専門とする行政書士として独立。配偶者ビザや永住申請など、在留資格関連の実務に精通しています。
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