配偶者ビザの不許可リスクとは?原因と対策を徹底解説
配偶者ビザはどのくらいの確率で不許可になりますか?どのような場合に不許可となりますか?
配偶者ビザの許可率は開示されていませんが、不許可は申請人が自分で申請し、説明や立証が不十分な場合などが多いです。
配偶者ビザの在留者数と審査厳格化
日本で暮らす外国人の人数は年々増加していますが、逆に配偶者ビザ(日本人の配偶者等の在留資格)で日本に在留する外国人の数は減少傾向にあります。リーマンショック前の2008年からコロナ・ショック直前の2019年を比較すると、外国人の総数は220万人から290万人まで70万人増え、それぞれの在留資格でも同じように増加している一方で、配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の在留者数は、25万人弱→15万人弱と10万人も減少しています。
これは様々な要因が指摘されていますが、かつて配偶者ビザが偽装結婚や不法就労などの温床となってしまった経緯を踏まえて、近年では当局による審査が一層厳格化していることも一因です。
2020年では海外からの新規呼び寄せ(7800人)と国内在住外国人の在留資格変更9300人で約1.7万人の日本人の配偶者等の在留資格が許可されていますが、その許可率は当局が示す統計では開示されていません。
配偶者ビザが不許可となる典型的なケース
配偶者ビザが不許可になってしまった場合、申請人ご夫婦も「まさかの不許可」の事態を飲み込めずに青ざめた顔をされて、相談にいらっしゃることが多くあります。
典型的には、当初「友達は簡単にとれたと言っていた」「ネットを見れば大丈夫」「カンタン」と思って、何ら心配することなく入国管理局へ申請をしたところ、しばらくして追加資料が求められ、それも言われた通りに提出したところ、しばらくして「不許可」の通知が郵送されてきた。
不許可の通知には、具体的な理由などは書いていないため、何が何だか分からずに途方に暮れて、またはネットなどで調べて何となく分かったもののクリアには分からずもやもやしながら、専門家に相談にいらっしゃる、というシチュエーションですです。
ご夫婦の状況を伺ったり、実際に提出した書類一式を見せていただくと、具体的な理由はそれぞれに異なりますが、共通するところは、配偶者ビザの審査基準や実際の入国管理局の審査のさじ加減がわからなかったために、必要とされる説明や立証などに不備や不足がある点です。これは、一般の方が、配偶者ビザの審査基準や実際の当局審査の温度加減などがわかるはずがないので仕方のないことですので、予め分かっていれば不許可にならなかった、今後リカバリー可能であることも多くあります。
頻出する理由は、前婚と交際が重なる、アプリで知り合った、水商売の店で知り合ったなどの交際の経緯、スピード婚であるなどの交際歴、夫婦の年の差、過去の申請内容との相違などの結婚の真実性に関する点)、夫婦が海外に居住していた、収入が少ないなど世帯の収入や資産に関する点、などがあります(一般的な考え方をリンクしていますが、実際はあくまで個別の事由と審査官の判断になります)。
配偶者ビザの許可の可能性を上げていくためには、シンプルですが、配偶者ビザの審査基準や実際の当局審査の温度加減を理解したうえで、個別の状況に合わせて万全の準備をして臨むということとなります。
一般的な話やネット掲示板などの話、トモダチの話は、不正確なものも多く出回っていますので、あまり信憑性がないと考えておいた方が無難かもしれません。例えば、ご自身の詳しい分野に関する内容で、ネット掲示板を見てみてください。もっともらしく書いてある回答が、ピントがずれていて間違っているものも多いことに気付くでしょう。おなじようなイメージです。
安心安全に配偶者ビザを取得されたい、何か心配事がある場合は、遠慮なくご相談ください。
ご参考:国際結婚と配偶者ビザ取得の流れ
この記事を書いた人
村井将一(むらいまさかず)
CFP・証券アナリスト・行政書士
1977年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。
専門は配偶者ビザをはじめとする外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。
休日の楽しみは、アイドル現場、散歩、夜ホッピーを飲みながら映画を見ること。ネコたちと遊ぶこと。
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