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永住権・永住ビザの申請で扶養家族が多いと審査に影響がありますか？必要な年収は変わる？

永住審査では、扶養家族は適正な扶養の状態であることや扶養する家族の人数に応じた収入が求められます。

扶養家族が永住権申請に与える影響と審査基準の詳細

永住ビザ申請における扶養家族の影響は？
永住権（永住ビザ）の申請において、扶養家族の数は収入基準と審査判断に大きく関わります。申請者が扶養する家族が多いほど、日本での生活における経済的自立を証明するために、高い収入水準が求められるためです。扶養家族を持つ場合、申請者にはその家族を安定して扶養するための収入が十分に確保されているかどうかが審査で確認されます。

永住申請に必要な収入基準と扶養家族の関係

永住権申請の収入要件は、扶養家族の有無とその人数により異なります。具体的には、技術・人文知識・国際業務などの在留資格での申請者は過去5年分の収入、高度専門職の方はそのポイントに応じて過去3年または1年の収入が基準となり、今後も一定水準の収入が継続される見込みがあるかが問われます。

たとえば、単独での申請では年収300万円程度が目安とされますが、配偶者を扶養する場合は380万円、さらに子供2人を扶養する場合は最低でも540万円の年収が必要です。これにより、扶養家族が増えるほど安定した収入が求められ、日本で家族を支える基盤があることが重要視されます。

法的な側面：税法と社会保険法での扶養の適正申告

税法では、扶養家族が増えるごとに所得控除が適用され、税額が軽減される「扶養控除」が適用されます。6親等内の血族や配偶者、3親等内の姻族が扶養対象となりますが、2016年から、扶養に関する適正な申告が義務付けられるようになりました。適正でない扶養申告は、法的なリスクや脱税と見なされる可能性があるため、永住申請においても入国管理局は厳格に審査します。

特に、税務申告においては、2016年以降「親族関係書類」（戸籍やパスポートの写し）および「送金関係書類」（送金記録）などの提出が義務化されました。これにより、実際に支援している家族が日本外に居住している場合でも適正に扶養しているかが審査で問われます。扶養実態が不適切である場合、修正申告や再申告が求められる可能性があり、修正内容が入国管理局に報告されることもあります。

社会保険上の扶養に関する法改正と影響

2020年の法改正により、海外居住の扶養家族が日本の社会保険に加入することが制限されました。これにより、日本に居住していない家族を社会保険上の扶養に入れることが基本的に不可能となり、日本国内の医療サービスや保険給付を不適切に受けることを防ぐ目的が強化されています。この改正は特に、海外に住む家族を扶養に含めた申請に影響を与え、適正な扶養状況を審査するための重要な基準の一つとなっています。

過去の扶養家族申告の見直しと修正申告の重要性

永住権の申請前に、扶養家族の申告が適正であるかどうかを見直すことが重要です。過去に扶養申告を不適切に行った場合、税務署や市区町村役場で修正申告が可能で、正確な申告が永住審査においても重要視されます。ただし、過去の誤りを修正申告したからといって、必ずしも永住審査での影響が免除されるわけではありません。

永住権申請と扶養家族に関するポイント

1. 適正な扶養の証明：申請者は、扶養している家族に関して法令を遵守し、適正な支援を行っていることを証明する必要があります。
2. 収入基準の充足：扶養家族の人数に応じて十分な収入があるかが審査の要です。収入が不足している場合、永住許可の審査に不利となる可能性があります。

なお、高度人材が永住許可を1年で取得する場合、高度人材の扶養家族（配偶者や子）は高度人材本人とは異なり、最短1年の滞在では永住許可を与えない運用となっていますので、注意してください。2歳の子は3歳になるまで許可されなかったりします。

当事務所では、永住ビザの申請に関する扶養家族や収入基準の詳細なガイダンスを提供し、適正な扶養状況と収入基準を満たすための専門的なアドバイスを行っております。ご不安な点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

プロフェッショナル

村井将一（むらい　まさかず）
三菱UFJモルガン・スタンレー証券（三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー）で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。

在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。

入国管理局申請取次行政書士・CFP（Certified Financial Planner）
日本証券アナリスト協会検定会員
行政書士会港支部執行役員

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