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コロナショックの外国人労働者等への影響

コロナショックにおける外国人への影響

今般のコロナショックは日本人のみならず、日本に住む外国人の在留にも大きな影響を与えています。既に新聞やニュースでは外国人の雇止めや解雇などの問題が報じられ、政府も解雇や雇い止めにあった外国人や経営悪化等により技能実習の継続が困難になった技能実習生への支援の施策などを講じています。

コンチネンタル・リサーチ&コンサルティング調査部では、コロナ・ショックにおいて、外国人の雇用や就職その他の在留への影響が今後どのように想定できるのか、世界規模で社会経済に影響があったリーマン・ショック(2008)のときの状況を参考に主にセミマクロ的な視点で考察していきます。

本稿の要約
◯ リーマン・ショック後の有効求人倍率は同ショック前の約半分の水準に落ち込み、求人市場が元の水準に戻るのに5年を要した。外国人労働者の雇用は、所謂ブルーカラー職種に大きな影響が見られ、専門性の高い職種や経営者ほど影響を受け難かった。この間外国人の労働者数は一貫して増え続けた一方で、経済環境の悪化等を受けて、日本人との国際結婚の減少が見受けられた。
◯ 今般のコロナ・ショックでは、日本に住む外国人の人数、その活動の範囲の多様化が進んでいるため、従事する業種や職種または個人属性等によって影響の受け易さがより分散化されている(詳細は本文ご参照)。また、COVID19感染拡大の時限性を鑑み、影響を受ける期間は、短期(直近1ー2年程度)、中期(それ以降向こう5年程度)の2つの時間軸で分けて考える必要もある。
◯ コロナ・ショックにおいても富裕層や専門性の高い職種ほど影響を受け難いと考えられる。他方、インバウンド関連業界に従事する外国人や所謂ブルーカラー職種で働く留学生アルバイトが近年急増していることから、入管法上の活動規制を考慮すると短期的な影響は極めて大きい。
◯ 他方で、コロナ緊急融資などの政府施策によって、足元、企業倒産件数が一定程度抑えられていることなども見受けられ、今後の日本国内の経済政策・入管法令に関する特例、及び世界各国の経済金融政策などの動向が今後の大きな変数となり得る。

 

リーマンショック時の外国人への影響とインプリケーション
外国人総数と外国人労働者の推移

日本における外国人の総数は、2008年のリーマンショックによる経済環境の悪化、2011年東日本大震災による原発問題などから一時的に減少しましたが、その後は堅調に増加し、毎年過去最高を更新し続けています。なお、この間においても外国人の労働者数は減少することなく一貫して増加しています。

雇用状況の悪化や放射能汚染問題から日本からの出国または入国の見送り等が相次いだものの、外国人労働者数の総数が減少していないのは、永住者や配偶者など従前就労していなかった外国人が、一定程度、経済環境の悪化などを受けて、新たに働きに出たことが考えられます。リーマンショック禍において、就業形態や条件を選ばない前提では、外国人に働く場所があったことはインプリケーションになりえます。

日本における外国人総数および外国人の労働者数は、特に第二次安倍内閣成立後の景気回復局面にはその増加ペースを上げ、2017年には総人口に占める外国人の割合が2%を超える水準となり、我が国での”外国人の位置付け”が年々重要なものとなっていることは統計からも確認できます。

※外国人労働者数は、2007年の法改正によりスタートした外国人雇用状況の届出制度による公表数値

有効求人倍率と人材紹介業の市場規模

2008年9月のリーマンショック前後の2007年から2013年の日本国内の有効求人倍率をみると、リーマンショック1年後の2009年7-9月にはボトム値である0.43倍まで悪化しました。リーマンショック前(2006年)の有効求人数230万人から2009年には131万人と「約100万人の仕事が日本国内で無くなった」ことになります。リーマンショック当初は、震源は金融機関や金融市場であって、実体経済や労働者の雇用や就労への影響は限定的であるという声も聞かれましたが、金融機関の貸出スタンスの変化によって、企業や個人がお金を借りられなくなり、事業投資や消費ができなくなって経済活動(売上)が縮小し、リストラするなどの流れで様々な業種業界に拡大しました。所謂「派遣切り」が問題化したことは記憶に新しいかもしれません。

その後、国内労働需要は、医療・福祉関連やサービス業などの内需関連を中心に回復しましたが、その需要回復の途上には、東日本大震災の発生及び震災後の電力・放射能問題(2011)や欧州債務危機(2012)などの困難が立ちはだかりました。第二次安倍内閣の成立(12年12月)後の日本銀行による歴史的金融緩和政策(13年4月から)等を受けて、金融緩和による円安などの恩恵を受ける製造業等の新規求人需要も加わり、有効求人倍率は約5年間の年月を要し2013年にはリーマンショック前の水準を回復するに至りました。

 

有効求人倍率は、全国のハローワークにおける求人・求職を調査したもので、アルバイト・パートを含むものであるため、所謂正社員需要がどの程度発生していたのか(=企業が紹介会社に高額の紹介料を支払ってまで人材獲得したいという事業の強さ具合)を確認するために、民間のシンクタンクが公表している人材紹介業の市場規模も参照しています。

人材紹介業界の売上高はリーマンショック前の2007年から2009年には半減しており、急速に市場規模が縮小したことを受けて、人材紹介業者間の合併や再編(一般事業会社の人材ビジネス子会社の売却など)などの動きも見受けられまし。人材紹介会社の売上高全体もリーマンショック前の水準に戻るまでに丁度5年を要しています。

外国人の在留資格別推移

リーマンショックとともに日本に在留する外国人総数は減少し、その総数が前年比プラスへ反転するのは2013年となっています。先述した有効求人倍率や人材紹介経由の転職などの状況よりも戻りが遅効的になっているのは、1)2011年の東日本大震災での放射能問題等により一定数の外国人が国外に退避したほか、原発問題等の状況が落ち着くまで日本への渡航を控える動きがあったこと、2)帰国した技能実習生などの外国人が、法令上の規制などで本人の意思に関わらず戻ってこれない事情や、再上陸の意思決定とその準備などに時間が掛かること、3)入管法の規制から外国人の雇用主や就労できる職種が限定的であること、4)当時の日本企業では日本人が優先して雇用される傾向があったと考えられること、などが推定されます。

在留資格別の内訳をみると、在留資格「技能実習(研修を含む)」が人数及び前期比で特に大きく減少していることが確認できます。技能実習の在留資格は、就労するための在留資格ではありませんが、実質的には主にブルーカラー職種の中小零細事業者の労働力として/所謂日本への出稼ぎの一つの形態として使われてきたため、本稿では中小零細企業で働くブルーカラー職種として位置付けています。

他方で、所謂ホワイトカラー職種である技術・人文知識・国際業務の人数や前年比は、不況下での雇用主の業績悪化や採用抑制などもあり、新規の純増が見受けられず、横ばいから微減の状態で推移しました。また、外国の親会社又は子会社からの日本拠点へ派遣されているホワイトカラー職種である企業内転勤は、母数は少ないものの、親会社又は子会社への帰任などの流れは鮮明に見て取ることができます。

他方で、外国料理店コックなどの専門職(技能)は母数は多くないものの、前年比減少することも無く堅調に推移したことも特徴的です。また、一般的に富裕層外国人が取得する経営者の在留資格「経営・管理」もまた、前年比減少することも無く堅調に推移しています。これは、富裕層の外国人には、経営管理ビザ取得の要件でもある、日本で開始する事業の状況および本人の資産状況等には安定性・継続性が認められ、リーマンショックのような不況下においても殊更に悪い影響は与えなかったとも読み取ることができます。

このように、リーマン・ショックによる急速な経済収縮期においては、所謂ブルーカラー職種への影響が大きく、専門性の高い職種や経営者(富裕層)になるほどに影響が小さくなったことが推定できます。

ところで、就労系の在留資格以外をみると、日本人の配偶者等の外国人は、人数及び前期比において大幅な減少が見受けられます。日本人の配偶者は、永住権の取得が優遇されているため毎年一定程度は永住者への移行があったものとも推定されますが、全員が永住者に移行していることは考えづらいため、新規の純増(=日本人との新規の結婚の増加)が止まり、または離婚して日本人の配偶者等の在留資格ではなくるなど、内外の経済環境の悪化および放射能問題が、日本人と外国人の結婚及び婚姻関係にも大きく影響したと推定できます。

 

 

コロナショックでの外国人への影響(見通し)

上述のリーマンショックの時の状況を参考に、今般のコロナショックにおける外国人への影響の見通し(アウトルック)をしていきます。なお、2008年-2013年当時と現在では、外国人を雇用する事業所数や外国人労働者の人数が3倍以上に増えており、いわゆるインバウンド業界の出現やその他の産業構造の変化(=外国人が就業する産業別分布が分散化)が進んでいること、および、新型コロナによってどの程度社会生活が変容し得るかの見立てが変数となるため、過去の事例をそのまま当てはめることは出来ないものの、一定のインプリケーションは得られるものと思料しています。

 

コロナショックでも技能実習生は大きく減少、外国人総数減少の可能性も

今般のコロナショックにおいても技能実習の在留資格の大幅な減少を予想しています。2008年当時19万人であった技能実習生は2019年には41万人を超えています。一般的には、技能実習を受け入れている事業者は、建設業や一部の製造業者などを除き、労働集約産業でマージンの低い業種が多いと目されます。言い換えると、製品やサービスの付加価値が小さく(利益が薄く)、そのために、事業主が支払うことのできる人件費の水準も低い事業者であるということです。それらの事業者は、新型コロナによる売上高減少によって経営悪化しやすく(=少しの売上減少で直ぐに赤字になりやすい)やこれまでの内部留保が薄く(これまでの利益の蓄積で会社内に現預金などが貯まっていない)、技能実習生の実習継続が困難になりやすい構造にあると考えています。

また、技能実習生の実習継続が困難になった場合、地域ごとの有効求人倍率をみると、技能実習の在留資格の分布の多い「地方」においては2020年6月時点で既に有効求人倍率1.0倍を割っている道県も見受けられ、代替の受入れ事業者が地域には存在しない可能性も高くあります。なお、執筆時点での有効求人倍率が1.0を超える愛知県では4万人以上の技能実習生を抱えていますので、近々愛知県の製造業などの事業者を中心に業績に影響が生じる場合は、大きな影響を受ける事になりえます。

現在、日本政府では、実習継続が困難になった実習生への各種特例的措置を講じていますが、技能実習性は40万人を超えるなど母数も大きく、上述のように代替の実習先を確保することは難しく、また、時間の経過とともに実習期日が満了し(新規の需要が大幅に消失するなどで)純減が進み、向こう3ー5年後のレンジで考えると大幅な人数の減少が見込まれると予想しています。それらを受けて、技能実習の良好な終了者を受け入れる立ち位置であり、雇用コストも実習生より格段に高い特定技能の在留資格の導入も進まないものと考えられます。

 

コロナショックにおいても国際結婚も減少の見通し

コロナショックにおいても、国際結婚の減少があり得ます。渡航制限の影響に加えて、配偶者である日本人の国内での収入が不安定になったり、配偶者である外国人も、日本で就職して十分な収入を得る事が難しくなる可能性がある環境下では、リーマン・ショック後と同じく、新規に国際結婚に踏み切ることは減り、また、経済上の理由により離婚なども一定数生じることが考えられ得ます。入管審査においても、申請人夫婦が経済的に困窮している状態では、日本人の配偶者等の在留資格が許可されないことも多く想定されます。

所謂偽装結婚や在留資格目的の結婚でさえも、日本国内においての就労が難しい状況を前提とすると、その目的が達成されないために、減少するものとみています。なお、外国に在住している日本人と外国人の夫婦で、滞在国で何らかの事情があり、日本へ帰国する場合もありますがその数は限定的と思われます。

現在はリーマンショックのときよりも日本人の配偶者等の在留資格の人数が大きく減っていることや、2011年当時の放射能問題などは無いことから2008年当時よりは緩やかな減少幅を見込んでいます(日本だけが再び新型肺炎が流行して諸外国政府から危険地域等の指定がされない前提)。

 

技術・人文知識・国際業務などの専門職外国人は二極化

リーマンショック当時の産業別新規求人数をみると、産業によって新規求人数にばらつきがあることが分かります。当時は、製造業や情報通信業などに大きな影響が出る一方で、内需関連の医療・福祉関連や教育関連が堅調に推移しました。なお、現在は、インバウンド関連ビジネスの出現や、外国人の就業職種の多様化・分散化など社会構造が変化していること、新型コロナによって既に壊滅的な影響を受けている外食業界の存在、などもあるため当時との単純比較はできませんが、インバウンド需要を除いた状態での各セクターへの影響度合いや(東日本大震災や欧州債務危機などの変数はあるにせよ)立ち直りのトレンド、医療介護などの内需関連が経済危機にかかわらず比較的堅調であったことなどの断片的なインプリケーションは得られるものと思料しています。

(※2009年より公表されている統計における産業分類が変更されている)

技術・人文知識・国際業務は、所謂ホワイトカラー職種に従事する在留資格です。の12万人から2019年には27万人と2倍以上に増加しています。その間の日本のGDP成長率(2008年実質GDP499兆円→2019年同539兆円)を考慮すると、経済規模の拡大以上に日本のホワイトカラー職種での外国人スタッフの役割が増大していることが分かります。リーマンショックのときの状況を見ると、技術・人文知識・国際業務の総数は、ほぼ横ばいから微減で推移していましたが、新型コロナ・ショック下においては、インバウンド関連の業界など特定の業界に極めて大きな影響を与えているため、勤務先の業種や職種によって二極化するものと予想しています(当初1−2年は業種ごとに鮮明に二極化、新型コロナ騒動が落ち着いてくる前提で3年目以降は業種を跨いで中庸化)。

ホテルや宿泊施設、高級品の小売店舗などインバウンド関連ビジネスにおけるバイリンガル・スタッフとして働く人たちは、向こう1−2年は新型コロナ騒動の影響による勤務先の経営悪化で新規・継続ともに雇用が著しく厳しくなると推定しています。2008年当時と比べて当該業種で従事する外国人が大幅に増えていることもあり、その影響は大きな課題となります。

勤務先を解雇または雇止めになった場合、入管法上、外国人が他の職種への転職などが可能になるかもポイントになります。現行の入管法の規定からスムーズな転職が難しい場合も多いものと推定しています。一時的にアルバイトをして凌ぐことも考えられます(特例措置)。なお、在職中のアルバイトは、最近流行のレストラン宅配サービス(●●●●イーツ)などの職務内容は入管当局より技術・人文知識・国際業務の資格外活動の対象と看做されない場合がありますので注意が必要です。また、国内外の渡航制限が長期化する場合、バイリンガル・スタッフの業務が無くなる為、在留資格更新などの際には、法令上バイリンガル・スタッフとしての十分な業務量が確保されているか否かが問題になる可能性もあります。仕事が少なくなった場合でも、入管法上認められていない仕事の内容に従事する事はできません。

なお、リーマンショックのときは、ホテル・宿泊業界など(政府統計上は外食産業と一緒に表記)への影響は他の産業と比べて相対的に緩やかに留まっていました。新型コロナの影響のについての前提によりますが、例えば、5000万人以上の死者を出したスペイン風邪を経ても観光関連産業が無くなることは想定しづらく、新型肺炎の騒動が落ち着く前提では、中期的に安定性を取り戻す可能性も考えられます。

他方で、商社やメーカーなどの企業の海外業務担当者、貿易事務や海外営業担当者などの職種は比較的底堅く推移するものを見ています。リーマン・ショックの時も商社(卸売)の新規求人の落ち込みは相対的になだらかでした。アジア諸国などの経済成長や日本国内市場の構造的縮小により日本企業の対外依存度は増大し、その過程で現地法人や取引先とのサプライチェーンも複雑化しているため、リストラ不可避の業績悪化などの状況ではないのであれば、現地取引先・クライアントと母国語対応できる貿易や海外営業のスタッフ人員は削減しにくくなっていると想定されます(当社顧客複数社からのレファレンス)。

なお、日本政府は、現在、高度人材と認められる外国人(学歴や職歴、年齢、日本語能力などで判断されます)の受入れに係る規制緩和を積極的に検討しているところ、政情不安の大きいとされる香港や新型コロナで極めて大きな影響を受けている母国の環境よりも影響が相対的に緩やかで仕事やビジネスのある日本での就業は、アジア圏の高度人材を中心に一定程度進むと思料しています(※足許の筆者事務所で大企業クライアントなどからの高度人材採用の受任ベース)。

 

新規雇用のけん引役の医療介護セクターの動向

リーマン・ショックの後に、医療・福祉分野の新規求人が高齢化する我が国の人口構造とその実需を反映し、堅調に推移していたことから、今般のコロナ・ショック後においても、医療福祉関連の求人は多いと目されるところです。しかしながら、介護などの医療福祉サービスは、外国人は、在留資格が介護・特定技能・技能実習・特定活動などで従事する事ができるものの、これまでも当該職種で外国人スタッフの採用が進みづらかった経緯や、不況下では日本人スタッフの採用も当該業種で堅調に推移すると想定される事も鑑みると、実際に外国人スタッフの採用が進むかどうかは流動的とみています。実際にリーマン・ショック後の介護業界では、介護ヘルパーなどの資格講座の受講も好調に推移し、不況による他の業種からの転職者などが流入したこともあり、採用は問題無くできていたようです(介護大手A社経営絵企画部ヒアリング)。

コロナ禍における外国人による起業/外国人経営者

また、リーマンショックの時に唯一堅調に推移していた経営管理の在留資格は、今般も堅調に推移すると予想しています。実際に、足許も経営管理ビザの需要は減退していない印象を持っています。理由は、香港での民主化デモの過激化や国家安全法が施行される/された前後から香港人の事業家本人や既に日本にいて相応に事業等で成功している香港人の子弟(兄弟姉妹や子弟、親などの親族の日本への呼び寄せが多い)の日本での経営管理ビザの取得需要が多くあります(=実際の当事務所の受注件数ベース/筆者事務所の定点的な傾向ですので全体を表しているかどうかは分かりません)。また、外資系大企業の外国人幹部などが日本拠点の人員整理を機に日本で起業するケース/日本の大企業等での就職を希望していたもののがコロナ・ショック等で就職がままならない外国人の比較的裕福な家庭の子弟(経営管理ビザの資本金基準である500万円を実家から借りられる層)の在留資格変更が多くなっているためです。上述のように、リーマンショック当時と同様の傾向を予想しています。

コロナショック前の状況に戻るまでの時間軸

今般の新型コロナショック前の状況に雇用状況等が戻るまでの時間軸は、リーマン・ショックのときの5年間を最低ラインとしてみています。理由は、今回も世界全体を巻き込むみ、各国では都市封鎖や物理的な渡航制限などサプライチェーンにより影響を与えるもので、経済の強さを示すGDPギャップ(需要と供給の乖離)の民間エコノミスト予想も、概ねリーマンショックの時よりも悪い予想を示しているからです。また、第2波に続き第3波第○波、ワクチン等の供給などの状況によっては長丁場となる可能性もあるためです。

他方で、主要国各国は、自国民の生活支援のために、多額の資金を投入し、大幅な金融緩和を行っています。世界全体でニューディール政策のような経済対策や規制緩和があった場合の景気回復効果は一定程度考えられます。実際、現在のところではあるものの、政府系金融機関等からの民間への所謂コロナ融資や持続化給付金・家賃給付金などによって企業倒産件数は、リーマン・ショックの時の半数程度に押さえ込まれているなど、政府の政策による一定の効果は見受けられます。

ご参考;東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」
2008年10月から6ヶ月間:8,283件(リーマンショック 時)
2020年02月から6ヶ月間:4,017件

ところで、日本国が一定程度の財政出動や企業や事業主への資金供給によって財政悪化及び市中現金流通量が増加した場合も、外国もまた同様であるため直ちに日本だけがインフレとはならないものと想定しています。したがって、リーマンショック以上に深刻な需給ギャップや先行きの不透明さはあるものの、各国の景気対策や金融政策なども踏まえて、コロナ・ショック前までの水準への経済回復はリーマン・ショックと同等の年限(5年間)+アルファとなることを予想してます。

最後に、5年の時間が経つと、我が日本国は5年歳を取り、さらに高齢化します。髪が抜けしわが増えモテなくなります。健康体だったはずが検査で大病が見つかるかもしれません。まさにヒトと同じです。生産と消費の主体となる生産年齢人口の総数も減少し、その分老人が増えます。もはやここからは常識的にも生物学的にも日本人の子供は増えません。中長期的な我が国の社会の活力を維持するためには、現在政府が検討している高度人材の積極誘致や規制緩和等も含めて我が国の国際的な付加価値を高め、そして、より一層外国人材が活躍できる社会の土壌を官民一体で形成していかねばらなないのはいうまでもありません。様々な人が人種や国籍を超えて自分たちが住んでいる地域をより活性化させていく、そこはアジア国の日本市(”都”を目指して頑張ろう)のようなイメージではないでしょうか。

1日も早い、平穏な日々の暮らしを、願って止みません。

 

※ディスクレーマー

コンチネンタル・リサーチ&コンサルティング株式会社
代表取締役兼チーフ・アナリスト 村井将一
日本証券アナリスト協会検定会員、行政書士

 

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)・日本証券アナリスト協会検定会員

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