日本への貢献があった人たちには、5年の在留期間で永住許可を貰える可能性があると聞きました。どのような場合に該当しますか？

ノーベル賞や勲章褒章の受賞者、外交関係者、上場企業等の経営者、高名な芸術家、研究者、スポーツ関係者などが該当します。

日本への貢献があるとして永住許可されうる場合

永住許可は通常10年以上の日本での在留、そのうち5年以上就労資格で在留していたことが基本となっていますが、日本国に、外交、経済・産業、文化・芸術、教育、研究、スポーツ、福祉その他の各分野で貢献があったと認められる外国人は5年以上の日本での滞在を経れば、永住が許可されます。

日本国への貢献とは、外交、経済・産業、文化・芸術、教育、研究、スポーツ、福祉その他の各分野で一定の事項が定められています（「我が国への貢献」に関するガイドライン）。

例えば、外国人の大学教員で、高度専門職1号イのポイントを利用した永住申請（最短1年または3年の在留で永住申請が可能）がポイントが少し足らずに利用できない人などは、こちらの枠組みに該当する可能性もあります。

以下の各分野に共通

○ 国際機関、外国政府などから、国際社会で権威あるものと評価される賞を受けた者

○ 日本政府から次のような賞を受けた者

○ 日本政府又は地方自治体から委員等として任命、委嘱等さ れ て公共の利益を目的とする活動をおおむね３年以上 行った者
○ 医療、教育その他職業活動を通じて、日本社会又は地域活動の維持、発展に多大な貢献のあった者

外交分野

○ 外交使節団又は領事機関の構成員として日本で勤務し、日本と派遣国との友好又は文化交流の増進に功績があっ た者
○ 日本の加盟する国際機関の事務局長、事務局次長又はこれらと同等以上の役職として勤務した経歴を有する者

経済・産業分野

○　日本の上場企業又はこれと同程度の規模の日本国内の企業の経営におおむね3 年以上従事している者
又はかつて３年以上従事していた者で、その間の活動ににより日本の経済又は産業の発展に貢献のあった者

○ 　日本国内の企業の経営におおむね3年以上従事し、その間継続して1億円以上の投資を行った者
○　 日本の上場企業又はこれと同程度の規模の日本国内の企業の管理職又はそれに準じる職務におおむね5年従事し、その間の活動で日本の経済産業に貢献した者

○　 日本の産業発展に貢献し、全国規模の選抜の結果賞を受けた者

○　先端技術者、高度技術者等として、日本の農林水産業、工業、商業等の発展に多大な貢献があった者
○　IoTや再生医療等の「成長分野」において事業所管省庁が関与するプロジェクトにおおむね5年以上従事し、その間日本の経済産業の発展に貢献した者

文化・芸術分野

○　文学、美術、映画、音楽、演劇、演芸その他の文化・芸術分野の権威あるものとして評価を受ける賞の受賞者

○　文学、美術、映画、音楽、演劇、演芸その他の文化・芸術分野で指導者又は指導的地位にある者として、おおむね3年以上日本で活動し、日本の文化の工場に貢献のあった者

教育分野

○　学校教育法に定める日本の大学又はこれに準じる機関の常勤又はこれと同等以上の勤務の実態を有する教授、准教授、講師として、日本でおおむね3年以上教育活動に従事している者またはかつて従事していた者で、日本の高等教育の水準向上に貢献のあった者

研究分野

○ 研究活動により顕著な成果を挙げたと認められる次の者
① 研究活動の成果としての論文等が学術雑誌等に掲載され、その論文が他の研究者等の論文等に複数引用されている者
② 公平な審査過程を経て掲載が決定される学術雑誌等へ研究活動の成果としての論文等が複数掲載されたことがあ る者
③ 権威ある学術雑誌等に研究活動の成果としての論文等が多数掲載されている者
④ 権威あるものとして一般的に評価されている学会で、高い評価を受けて講演等をしたことのある者

スポーツの分野

○ オリンピック大会、世界選手権等の世界規模で行われる著名なスポーツ競技会その他の大会の上位入賞者、その監督、指導者等としてその入賞に多大な貢献があった者で，日本でのそのスポーツ等の指導や振興に係る活動を行っている者
○ 国際的規模で開始されるスポーツ競技会その他の大会の上位入賞者、その監督、指導者等としてその入省に多大な貢献のあった者で、おおむね３年以上日本でスポーツ等の指導、振興に係る活動を行っている者
○ 日本におけるスポーツ等の振興に多大な貢献のあった者

その他の分野

○ 社会・福祉分野で，日本社会の発展に貢献し、全国規模の選抜の結果として賞を受けた者

○　日本における交易的活動を通じて、日本の社会福祉に多大な貢献のあった者

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この記事を書いた人

村井将一（むらい　まさかず）｜　CFP・証券アナリスト・行政書士

1977年生まれ。外国人在留資格（ビザ）専門の行政書士。証券会社出身、金融機関では法令や制度の調査、管轄する役所などとの交渉、お客様（クライアント）にとって最適な選択肢や方法などをアドバイスする業務に従事。

永住申請などの外国人在留資格においても、行政書士資格とファイナンシャル・プランニングの知見、お役所への交渉ノウハウなどを駆使しながら、在留状況、法令順守の状況、経済力、高度ポイントの証明などが困難な事案にも積極果敢に挑む。休日の楽しみは、アイドル現場、散歩、夜ホッピーを飲みながら映画を見ること。ネコたちと遊ぶこと。

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