事実婚や内縁の外国人パートナーの配偶者ビザ取得の条件と方法
事実婚や内縁の外国人配偶者/パートナーも配偶者ビザ(日本人の配偶者等)を取ることができますか?
配偶者として在留が認められるためには、双方の国籍国で法的に夫婦関係にあり、配偶者として認められていることが必要です。
配偶者ビザ(日本人の配偶者等)で認める配偶者
日本で配偶者ビザを取得できる「配偶者」は、双方の国籍国において法的に夫婦関係にあり、配偶者として認められていることが求められています。したがって、事実婚や内縁の配偶者は認められないとされています(入国管理局審査要領)。
また、現に婚姻関係中であることが求められ、配偶者であった日本人と離婚や死別をした日本人の「元配偶者」は認められません。
また、法律上の婚姻関係が成立していても、「同居し、互いに協力し、扶助しあって社会通念上の夫婦の共同生活を営む」という婚姻の実態を伴っていない場合には、在留資格「日本人の配偶者等」の活動を行うものとはいえず、在留資格の該当性は認められないとされています。さらに、「社会通念上の夫婦の共同生活を営む」といえるためには、合理的な理由がない限り、同居して生活していることが求められます。
(併せて読みたい)国際結婚の手続きと配偶者ビザ取得の流れ
配偶者ビザが認められない場合の在留資格の選択肢
それでは、なんらかの理由で結婚をすることが出来ない事実婚や内縁の外国人に認められる在留資格はあるのでしょうか。原則は、日本人の配偶者等以外の在留資格のいずれかを検討できるか考えることになります。
代表的なケースとしては、学歴や職歴が技術・人文知識・国際業務(高度専門職)や技能の在留資格の要件を満たしていてば、日本で就職先を探して就労することが考えられます。工学学士を持っている人がエンジニアで働く、外国料理の料理人が外国料理店のシェフをするなどです。また、写真家やイラストレーターなどの芸術(Artist)の活動をしているケースも見受けられます。
さらに、最終学歴や年齢によっては、就労ビザの要件を満たすために、「留学」の在留資格で日本の大学や専門学校に入学し、卒業後に長期的に日本での就労→永住などを企図することも検討できます。
※各在留資格の要件はリンクをご参照ください。
経営管理ビザの検討
しかし、学歴や職歴が就労系の在留資格の要件を満たしていない場合も多くあります。この場合は、経営・管理の在留資格が検討されることが多くあります。経営管理ビザは、日本で何らかのビジネスを興して事業経営者として活動する在留資格ですが、学歴や職歴の要件が無く、外観的には一定以上の出資をすれば良いとされているためです。しかしながら、実際に、経営・管理の在留資格を取得するためには、本格的に日本で事業経営による収益を安定的継続的に上げて生計を維持できることが確認されます。
「配偶者/パートナーの生活費は日本人のパートナー等が支弁するので、『形だけ会社を経営していることにして』在留資格を取得できないか?」と相談にいらっしゃる方が居ますが、同様の事例が過去に頻発したことから、入国管理局から経営の実態や経営する能力などについて厳しく審査されています。したがって、経営管理ビザの取得には、十分に事業計画とその事業活動が安定的継続的に見込まれることの証拠を文書で証明する準備をしてから望むことが肝要です(学歴や職歴が十分でないと思われるときは特に)。
また、これまで事業経営を行ったことが無い人は注意が必要です。
ご不安な場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)| CFP・証券アナリスト・行政書士
1977年生まれ。外国人在留資格(ビザ)専門の行政書士。証券会社出身、金融機関では法令や制度の調査、管轄する役所などとの交渉、お客様(クライアント)にとって最適な制度上の選択肢や方法などをアドバイスする業務に従事。
配偶者ビザなどの外国人在留資格においても、行政書士資格とファイナンシャル・プランニングの知見、お役所への交渉ノウハウなどを駆使しながら、国際結婚の真実性や合理性、経済力の証明などが困難な事案にも積極果敢に挑む。休日の楽しみは、アイドル現場、散歩、夜ホッピーを飲みながら映画を見ること。ネコたちと遊ぶこと。
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