【講義】天津外国語大学(中国)にて
11/28-12/1まで北京&天津へ出張してきました。北京では政府関連機関の視察、天津では現地の大学や日本語教育機関、就職支援機関などを訪問しました。社会が高齢化して若者が減る日本、アラフィフ社会の日本に失われつつある社会の活力、若い躍動感が伝わってくる良い視察となりました。
いま日本ではTVをつけると、50代のお笑い芸人やアラフィフでも美しくいる女優やタレント、90年代から活躍しているイケメン俳優が継続して大活躍しています。これらは極めて営利メディアが作出した商業的な現象であります。
というのも、足許の新成人は120万人くらいで、1学年200万人以上いた現在のアラフィフの約6割の人数です。そして、直近の0歳児の人口はついに100万人を割りました。
つまり20年後の新成人の人口は100万人を切る訳でありまして、遅かれ早かれ日本の企業やすなわち社会も、外国人の人たちと共生していくことになるわけです。
天津外国語大学では、日本語を専攻する大学生に日本での在留資格や日本企業特有のルールやマナー、考え方について少しお話をさせていただきました。勿論、専攻の日本語で話をしました。学歴社会、競争社会の中国では一般論的には大学生は一生懸命勉強し就職先を探すようです。
少子化であまり勉強せずにAO入試で大学に入り、大企業に「入ってやったぜ」というSome of the 日本の大学生(私も証券会社を退職する直前の新入社員たちはそんなノリの人が多かったように感じています。まして、時代は働き方改革。)とは対照的な印象をうけました。
また、就職セミナーでは、日本語で一生懸命にコミュニケーションをしてきます。未だ日本語が得意でない人は英語を巧みに織り交ぜながら、まっすぐに私の目を見ながら。
日本語が堪能で、若く、やる気のある、それなりに優秀な人であれば、日本企業は真っ先に欲しいはずです。天津のような大きな街は東京や横浜とほとんど変わらぬ都会で、BMWやアウディが高層ビルの中を行きかい、そして老若男女がWechatで買い物をしチケットを予約しタクシーに乗ります。東京人と同じような都会っ子です。
先に述べたように20年後に日本の新成人は100万人を切るわけであります。その時代には、社会経済を維持するために日本の国は、日本人の新成人世代の人たちが一定数以上必要という事になるわけですが、中国人の大学生はこれまでの日本人とは異なる就職観やキャリアアップへの価値観を持っているわけであります。日本企業では、早く転職してしまう外国人スタッフに嫌悪の眼差しが向けられることが多く、それをリスクととらえる向きが多くありますが、日本の企業の在り方、企業人事の考え方が、向こう20年では大きく変わらざるを得ないことになるでしょう。
くしくもYahooとLINEの経営統合のニュースがありましたが、日本でもLINEがソフトバンクグループの巨大な資本力を背景にWechat(テンセント)のように社会や生活全体を支配する日が来るのかもしれません。あるいは、WechatやTIKTOKが日本社会を席巻するのかもしれません。
「あ、社会が変わるな」と五感で感じた出張でした。
東京赤坂の事務所にて。