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経営管理ビザ、資本金とオフィス不要に?

経営管理ビザの要件緩和、資本金とオフィス不要に?

ここのところ、「2024年から経営管理ビザの要件が緩和される。オフィスが不要になり、資本金もゼロでよい?2年ビザがもらえる?」などのご相談の声を聞くことがあります。

確かに、外国人起業家の受け入れのために、起業準備の在留資格を整備するという趣旨の新聞などの報道がありました。でも、具体的な内容や時期は未定です。どうなるかはわからないのです。

しかしながら、冷静になって考えてみてください。

事業を始めるためには資金が必要です。日本人も1円で会社を作ることができますが、1円で会社を作っている人は現実的にはほぼ居ません。会社を作ることはできても運営できなければ事業は成り立ちません。1円ではボールペン1本買えません。これは日本人も外国人も同じです。

そして起業家(個人)の当面の生活費も必要です。しかも、日本人のように親と実家に一緒に住んで、衣食住が担保され、自宅の自分の部屋でPC1台でアフィリエイト起業というわけにもいきません。コンチネンタルでは、公表されているデータから日本での外国人起業家の廃業率(新陳代謝)は日本人よりも高いと推計しています。残念ではありますが、実際にも、3年くらいで廃業する外国人経営者も多く見受けられます。

ちなみに、わたし自身の経験でも、証券会社を辞めて(クビになって)独立する時は、事業資金と当面の生活費は一定以上確保しなければなりませんでした。事業費用、生活費、ただ息を吸っているだけでもお金はかかります。ちなみに金額は、具体的には内緒ですが、経営管理ビザの要件である500万円以上でした。その人の生活コストにもよりますが、500万円くらいはあっという間になくなります。

 

外国人起業に関する入管制度について

金融機関で投資銀行業務18年の私は、経営管理ビザが専門です。企業のバランスシートやキャッシュフローの実務的なアドバイスから、企業価値の算定(Valuation)まで対応しています。

私見ですが、入管の制度的には、「独立したオフィスが無くとも良い(自宅開業OK、バーチャルオフィスOK、大学の研究室OK、登記や銀行口座などは別として)」はありえても、お金が無くてもOKはあり得ないのではないかと思っています。

オフィスは、IT開発など自宅や旅先でもできる事業もあるほか、かならずしも独立した事業所を求める必要はないかもしれません(いわゆるノマドIT人材などの在留資格は別途検討されているようです)。

ただし、経営管理ビザが、親や兄弟姉妹、恋人と一緒に暮らしたいだけで、申請人を経営者ということにしておいて実際は活動はしない、不法就労が目的、などの制度の趣旨に反して悪用された歴史をふまえて、事業所が無い場合は、別に新たな規制が設定されるなどもあり得ると考えています(手元資金の水準や経営者の能力を確認するなど)。

また、資本金に関しては、資金が無いとそもそもの事業の準備も個人の生活もできないわけですが、滞在中の費用の支弁能力などは当然に確認されると思われます。滞在期間中「日本で働きながらお金を貯める、生活費を賄う」はできないでしょう。

もともと、経営管理ビザのレギュレーションは、一定以上の事業規模(出資金)や事業実態(事業所)、事業計画(Capability)を確認することで、不法就労や法令の目的を外れた悪用を防ぐ趣旨や目的があります。

そこを起点に考えていく必要があります。実際、オフィスも資本金もいらず2年間起業準備ができるということになれば、どんな人でも「とりあえず経営管理ビザ(を準備するための在留資格)申請しとけばいーや。」となりえます。そんなことはないわけでありまして、

とにもかくにも、新しい制度が公式に発表されたら、使い方をご提案できるようになります。

乞うご期待ください!

 

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