香港籍の個人・法人による日本法人設立の手続きと必要書類
香港の法人または個人(日本の非居住者)が発起人として日本で会社を設立する場合、どのような書類の準備が必要ですか?
日本での会社設立に際しては、例えば、法人の場合、香港の会社登録証及び商業登記証、会社の代表者のサイン証明書などが必要です。
目次
- 香港の法人による日本法人設立の必要書類
- 香港の個人が発起人になる場合の書類
- 取締役に就任する際の在留資格と条件
- 実質的支配者の申告と本人確認のポイント
香港から日本で会社設立を目指す際に必要な書類とは?
香港の法人による日本法人設立の必要書類
香港法人が発起人となる場合、以下の書類が必要になります:
- 香港の会社登録証(Certificate of Incorporation)
- 商業登記証(Business Registration Certificate)
- 代表者のサイン証明書(Signature Certificate)
- 上記書類の日本語翻訳文
注意点:
- Director(取締役)とSecretary(秘書役)が必要な香港の制度に対応するため、代表者のサイン証明書の形式に注意が必要です。
- 有効期限:日本の公証人によっては、書類が発行後3ヶ月以内のものであることを求めるケースがあります。事前の確認が必須です。
香港の個人が発起人になる場合の書類
香港籍の個人(香港在住者)が日本で会社を設立する場合に必要な書類は次のとおりです:
日本に住民登録がされていない香港人の場合、日本の印鑑証明書を取得することはできませんので、香港で取得したサイン証明書を代わりに取得することになります。
香港のサイン証明書の有効期限については法律的な定めはないのですが、定款を認証する公証人によっては日本と同様に発行から3ヶ月以内などとルールを設けている場合もありますので、必ず事前に公証人に確認が必要です。
- 香港で取得したサイン証明書
- サイン証明書の日本語翻訳文
日本在住の香港人の場合
- 印鑑証明書:日本の市区町村役場で発行。
- 印鑑登録:役所での印鑑登録が必要。まだ登録していない場合は、印鑑を作成し、市区町村役場で登録します。
香港人が日本法人の取締役に就任するための在留資格
香港人が日本で事業を始めたり、取締役に就任する場合、永住者や日本人の配偶者等など活動に制限のない在留資格を持っている人以外は特定の在留資格が必要です。
- 経営管理ビザ:永住者、日本人の配偶者、または活動制限のない在留資格を持っていない場合、原則として経営管理ビザの取得が必要です。
- オフィス要件:経営管理ビザ申請時には、法人名義のオフィス契約が求められます。
実質的支配者となる者の申告書
会社設立の際には、日本の「犯罪収益移転防止法」に基づく本人確認が必要です。次の書類を準備しましょう:
- 実質的支配者となる者の申告書
- 株主構成がわかる書類(例:株主名簿)とその翻訳文
- 本人確認資料:運転免許証、在留カードなど
上場会社が株主の場合、その法人を「自然人」として扱います。公証役場への事前確認を推奨します。
なお、会社を設立するにあたり「日本の犯罪収益移転防止法」の本人確認義務があるため、会社設立手続き前に司法書士行政書士などの専門家へ、窓口となる取引担当者への取引委任状やその人の本人確認書類が必要になる場合があります。
プロフェッショナル
村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。
在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。
行政書士、東京都行政書士会 港支部 執行役員
CFP(Certified Financial Planner)、日本証券アナリスト協会検定会員
【外国人のみなさま】
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