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外国人留学生採用の注意点(アルバイト掛け持ち)

外国人留学生を正社員として採用します。ただ、その学生はアルバイトを掛け持ちしているようなのですが採用できますか?

アルバイトは週28時間以内、学校が休みの時は1日8時間以内です。アルバイト掛け持ちをしている学生には注意が必要です。

 

 アルバイトでの収入金額の把握の仕方

留学ビザのアルバイト(資格外活動)で働くことができるのは週28時間、日曜から土曜までではなく、1週間のうちどの時点から計算しても28時間以内です。学業がない夏休みなどの時期は1日8時間以内でアルバイトができます。欧米諸国ではアルバイトを原則禁止している国も多いため、日本は比較的緩やかといえます。

なお、アルバイトによる収入金額は、入国管理局では、原則は、住民税の課税証明書・納税証明書で判断されます。アルバイトしている会社が発行した源泉徴収票は、その源泉徴収票を発行した会社でのアルバイト収入と源泉徴収額しか記載されていません。その会社以外でアルバイトをしたり収入を申告している場合がありますので、それらが合算された課税証明書・納税証明書で判断することになります。場合によっては、銀行口座の入出金履歴などを求める場合もあります。

過去にアルバイトのオーバーワーク(資格外活動違反)の事案が多かった国の出身者はより慎重に確認される傾向にあります。

入国管理局では、時間給で計算した年収が異常に多いと、勤務の中身を調査して違反の有無を確認すると言われています。飲食店でのアルバイトならば都市部で時給1000〜1200円くらいから逆算すると、週に大体28000円前後、月に10万円ちょっと、年間でも120万円前後になります。夏休みなどの学業がない時期は1日8時間働けますので、休みの月はその分がプラスになるかもしれません。それらのプラス分を考慮しても大体年間150万円くらいが分水嶺と考えられます。なお、深夜勤務や時給が高いアルバイトをしている場合はこれらを超えるかもしれませんが、その場合はアルバイトの給与条件などを説明する場合もあります。

(留学生のアルバイト年収の目安)
時給1000〜1200円×週28時間×4週間×12ヶ月+α=最大で150万円くらいが目安

 

 注意すべきアルバイトの掛け持ち学生

ここで注意が必要なのは、アルバイトを掛け持ちしている学生です。
週に28時間しか働けないのは、1社につきではなく、日本で働く時間の合算です。週28時間(それでも7時間勤務×4日にもなります)しか働けないのに、アルバイトを掛け持ちできるのか?という簡単な疑問です。

多くの場合、掛け持ち学生は、週28時間を超過していることが想定されますので、資格外活動違反と看做された場合、留学ビザ→就労ビザへの変更や留学ビザの更新が不許可になります。在留不良(法令違反)が原因での不許可となった場合、入管法上、在留資格の変更と更新を許可できないこととなっており、再申請してもその瑕疵は治癒されないため、原則許可はされません。

もちろん、オーバーワーク以外の各種犯罪行為、キャバクラなどの風俗店での就業などの法令違反があった場合も同じです。

その場合、原則は、一度日本から出国し在留資格認定申請を行うこととなります。法令違反の内容や度合いによっては、再度の日本への招聘が困難になることもあります。



 帰国処分になったら

候補となる留学生がオーバーワーク(資格外活動違反)で帰国した場合は、①再度その学生を日本へ呼ぶために在留資格認定許可申請を行う、または、②その学生への内定を取り消して他の学生を採用することになります。

①再度その学生を日本へ呼ぶために在留資格認定許可申請を行う場合は、人材不足の職場への配属が遅くなりますので、直ぐに職場で働いてもらいたい場合は不向きです。一方で、その外国人の人柄やスキルから絶対に採用したい場合は、呼び戻しが選択肢になります。在留資格認定申請(呼び寄せ)は、入管法上、在留資格の変更や更新と異なり、日本での在留中の在留不良について緩和されます。

他方で、②その学生への内定を取り消して他の学生を採用する場合ですが、多くの企業では採用内定者に在留資格の変更ができない場合は内定を取り消す旨を内定通知書で示しています。一事が万事として、在留中の素行は、本人の順法精神の指標として考える企業もあります。法令を無視するスタンスの人は将来自社で働いている最中も法令違反をするリスクがあるという考え方です。また、1度帰国した人を呼び戻すよりも他の候補者を採用した方が早く職場で働いてもらうことが可能であるメリットもあります。

 

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
外国人専門起業支援プロデューサー。
~外国人の起業ビザから資金調達までスタートアップを徹底的に支援~
起業のためのビザの不許可・審査長期化のリスクを200%以上低減!

1977年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米Morgan Stanleyのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に18年間従事。在職中500人を超える起業家や上場企業経営者に対して事業計画や資本政策などの財務・資本戦略についての助言を実施

専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。趣味は、日本人アイドルのコンサートとディカプリオ映画と猫と遊ぶこと

入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)
日本証券アナリスト協会検定会員

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