証券会社も行政書士も同じ。
私は証券会社に18年間勤務していたのですが、無形のサービスだけで商売する証券会社ビジネスと行政書士ビジネスは非常に似ています。だから、このビジネスを始めました(笑)。
証券会社の社会的な役割の1つは、資本市場(投資家)と企業等を繋ぎ社会を活性化することです。
例えば、新しいITサービスを提供するベンチャー企業があるとします。証券会社は証券会社のクライアントであるそのベンチャー企業の成長のために、株式公開してもらい、そのIT会社が株式市場で多くの資金を調達して、その資金で多くの技術者や従業員を雇い(雇用と消費を生む)、社会に新しいサービスを供給してもらいます(社会的イノベーション)。
一方で、証券会社は自社のクライアントである投資家に、ベンチャー企業の発行する株式を販売します。したがって、危ない会社の株式は販売できません。そこで、企業モラルとして、現時点において、安全な会社であること、将来の成長や安定的なリターンが見込める可能性があることを証券会社自体がしっかりと厳しく審査します(投資家の保護)。それを怠ると証券会社の信用が失われ長期的にビジネスを継続できません。
したがって、証券会社は、株式を発行するベンチャー企業に対して、財務内容や事業計画(見通し)の合理性、会社の内部管理の体制などを事細かにコンサルティングし、そして独立した審査部門で審査し、その後証券取引所への手続きを行います。社会へ新しく株式を供給するに際して、将来のことは予見し得ない部分ももちろんありますが、その時点で考えうる限りの観点で安心安全を担保します。株式公開を通して、未上場企業から上場企業へ変わるプロセスの中で、企業はコンプライアンスや事業継続性に関する考え方や意識が洗練され、現実に企業体として強くなります。しかし、あまりに審査が厳しくて、企業クライアントがその証券会社との契約を切ってしまうこともあります。
そのビジネスモデルは、行政書士ビジネスでも同じです。冒頭でも述べたように、だから当ビジネスを始めました。
行政書士の入管ビジネスにおいては、日本国の社会の成長と安心安全の両軸を担保する必要があります。
①日本で活躍したい外国人や外国人の役職員を雇用して事業拡大を図りたい企業に対して、専門家としてサポートすることで、雇用の拡大、事業の拡大、技術やサービスのイノベーション、社会の多様化・若い人たちの流入に伴う社会的活力の増大(日本の若者はかつての半分以下、悪い意味でジジババ社会)を起こし、併せて、②日本国は、国家の治安や秩序(居住者に日本国の法律規則を遵守させる)を維持し、日本国での税金や社会保障などの新しい担い手として、外国人と共生して、この日本国の安定的に発展させていく必要があります。
私自身、外国人の方と企業には、厳しい要求をしますし、場合によっては案件の引受けをお断りします(証券会社もビジネスやコンプライアンスなどのダメな会社の資金調達はその引受を断ります)。でも、それは、その外国人の方が永住を含めて長期的に日本に在留し活躍するためですし、企業であれば、入管法違反や外国人従業員を雇用できなくなるリスクを排除し安定的に発展していくためのものです。
また、他方で、入管制度における事前審査の役割を果たすことで、日本国の治安や秩序(居住者に日本国の法律規則を遵守させる)を維持し、日本国での税金や社会保障などの新しい担い手として、外国人と共に共生して、日本国の健全な発展を企図できるのではないかと思っています。日々多忙を極める入国管理局職員には頭が下がります。
したがって、今後の当社および当事務所の、経営方針、内部管理のあり方についても、証券会社のビジネスモデルを大いに参考にしていきます。証券引受業務(引受所管部署と引受審査部門の関係)の体制やカバレッジ体制(RM-PO–グローバルフランチャイズの運用など)、そして証券会社の悪しき(?)精神力に立脚した営業力。私自身の能力が低いので、大きな成果は出せないかもしれませんが、基本的なコンセプトはそうです。今後少しだけご期待ください。