家族滞在ビザに求められる年収水準
家族滞在ビザで家族を呼ぶときに必要な年収はいくらくらいですか?
一定の目安はありますが、家族構成などによって必要とされる年収は異なります。
必要な年収の目安となる金額の考え方
家族滞在ビザで必要な年収の金額の考え方ですが、1つは居住する地域が定める世帯人数に応じた生活保護の支給基準となる金額が最低ラインの目安となります。本国から家族を呼ぶにあたって日本の生活保護(=日本政府に経済的な負担がかかる)に抵触してしまうと許可をするわけにはいかないため、その収入水準は超える必要があります。
では、どのくらい超えていれば足りるでしょうか?筆者は、永住申請で求められるとされる水準も、実務上では、もう一つの目安になり得ると考えています。永住申請で求められる水準は日本の平均的な会社員の年収をモデルにしているように感じているからです。ちなみに、勤務先の福利厚生の状況にも左右される考えられます。福利厚生の良い会社では月額従業員負担(本人負担)3万円くらいでファミリータイプのマンションに住めることもあります。水道光熱費も定額の会社もあります。
なお、収入の証明については、給与明細(賃金台帳)や実際に振り込まれた銀行の通帳などを証拠として提出することになるでしょう。また、収入の水準が低い場合には支出サイドの説明も必要でしょう。さらには、物理的な居住スペースの確保も求められます。例えば、ルームシェアの状態(入国管理局ではルームシェアをしている人は把握しています)や学生専用マンションでの滞在などでは、ファミリーが暮らすには非適切とされ不許可になる事案が見受けられます。
扶養者(日本に呼ぶ人)の資力が必要
家族滞在ビザでは、日本に外国人を呼ぼうとする扶養者(の外国人)の資力・経済力が求められます。例えば、呼ばれる側に十分な預貯金や在外資産があるなどの場合であっても、日本で呼ぶ側の外国人に十分な経済力が認められなければ、家族滞在ビザは不許可になる可能性があります。家族滞在ビザは、あくまで呼ぶ側の扶養の意思と扶養能力が求められます。なお、その扶養者はあくまで日本に安定的継続的に在留していることが必要です。家族滞在ビザで家族を日本に呼ぶのに当の本人が長期間日本に滞在しておらず、外国を転々としている状態にあっては、家族滞在ビザは認められません。
Attention
ちなみに、乳飲み子(赤ちゃん)には一定の年齢になるまでパスポートを交付しない国や地域があるようです(法律だけでなく現地の慣行のようなものも含め)。それらの国や地域から家族を呼ぼうとする場合には、母国の制度を十分に確認する必要があります。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。
在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。
入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)
日本証券アナリスト協会検定会員
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