(就労ビザ)社会保障協定とは
社会保障協定を結んでいる国の外国人を採用します。何に注意すべきでしょうか?
社会保障協定を結んでいる国の外国人は一定の要件を満たせば、日本の社会保障制度への加入が免除され得ます。
社会保障協定とは
社会保障協定とは: 日本人または外国から来日する外国人が、日本から外国へ、外国から日本へ行き来して働く場合に、自分の国で加入していた労働保険や社会保険をその都度止めて、短期間であっても働きに出る国の社会保険に加入しなければならないのか、あるいは、自分の国の保険に入ったままで、相手国の保険にも入り二重で保険料を納めなければならないのかが問題になります。
そこで、日本は現在アメリカ、イギリス、韓国など23カ国(2019年10月時点)の国との間で「社会保障協定」を結んで一定の条件のもと、「保険料の二重負担防止」「年金加入期間の通算」などを行う仕組みを導入しています。なお、イギリス、韓国、イタリア(未発効)及び中国については、「保険料の二重負担防止」のみです。
社会保障協定が関係するケース
社会保障協定が外国人を雇用する企業に関係するのは、日本国内で社会保障協定を締結している国の出身者を雇用する場合です。1)協定相手国の社会保障制度に加入していること、2)派遣期間中も協定相手国の事業所との雇用関係が継続していること、3)派遣期間が5年以内と見込まれる場合であること等、が要件になりますので、外国の親会社または子会社などから転勤で赴任してくる外国人が該当します。外国人を日本で直接雇用する場合が、社会保障協定の締結国の出身者であっても、最初から日本の社会保険に加入します。
社会保障協定の制度では、協定を結んでいる海外の国から派遣されてくる外国人の派遣期間が当初の予定で5年を超えない見込みの場合、その派遣期間中、日本の社会保険に加入しなくて良いこと(加入免除)になっています。これによって、問題となっていた前述の短期間の海外勤務に伴う社会保険料の二重払いを避けることができます。
出身国によって取り扱いが異なることに注意!
ただし、社会保障協定締結国の出身者であったとしても、出身国によって、厚生年金保険をはじめとする健康保険や雇用保険・労災保険のうち、その保険の適用を免除するか否かが変わってきますので注意が必要です。上述の18カ国での締結している社会保障協定の内容(範囲)は、相手国によって内容が異なるからです。このように対象国によって手続きが異なりますので、具体的な手続きについては、日本年金機構や顧問の社会保険労務士に確認することになります。行政書士は社労士法の規制があるため具体的な手続き&アドバイスをすることができませんので、必要に応じて、提携の社会保険労務士をご紹介いたします。
② 年金・健康保険で協定締結
③ 年金・健康保険・労災保険・雇用保険まで含めて協定締結
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
1977年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米Morgan Stanleyのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に18年間従事。在職中500人を超える起業家や上場企業経営者に対して事業計画や資本政策などの財務・資本戦略についての助言を実施
専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。趣味は日本人アイドルのコンサートとディカプリオ映画と猫と遊ぶこと。
入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)・日本証券アナリスト協会検定会員
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