帰化申請と不倫の関係
不倫が理由で帰化申請が不許可になったと聞きました?影響はありますか?
不倫が民法における不法行為に該当し、それによって国籍法の要件を満たせずに不許可になる場合があります。
帰化申請における不倫の関係
帰化の要件として、国籍法5条1項3号は「素行が善良であること」を規定しています。帰化の審査実務では、この素行善良要件には、民法における「不法行為」とされる行為がないことも求められます。ときに民法における不法行為には、「不貞行為(不倫)」が該当し得ます。
第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
(略)
三 素行が善良であること。
法律上、婚姻関係にある夫婦は、互いに貞操義務を負っています。貞操義務とは、「配偶者以外の者と性交渉をしない」という義務です。そして、この貞操義務に反することを「不貞行為(不倫)」といいます。不貞行為(不倫)は、民法770条1項1号で離婚の原因となります(配偶者に不貞な行為があったとき)。また、不貞行為(不倫)は、民法709条の「不法行為」にも該当し、配偶者に対して損害賠償責任(慰謝料など)を負います。
したがって、帰化申請を行おうとする申請人が、不倫状態となっている場合は、不倫や離婚に関わる調停や裁判等にまで発展していない場合であっても、素行要件上善良ではないとされ帰化申請が不許可となり得ます。また、申請人の在留資格が「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の場合は、現在の在留資格における活動内容(婚姻関係が実質破綻している=在留資格の活動要件を満たしていない)も問題になり得ます。
不倫関係は、男女の仲の話だけでは済まないため、不安な場合は専門家に相談しましょう。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で18年間アドバイザリー業務等に従事。
2004年ファイナンシャル・プランナー(FP)の国際ライセンスであるCFP(Certified Financial Planner)を取得。FPとは一人ひとりの将来の夢や目標に対して、お金の面で様々な悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家。CFPは世界24カ国で認められた世界共通水準FPサービスを提供できるプロフェッショナルであることを証明する上級資格です。
FP資格における年金や保険、資産運用、税制、住宅ローン、相続などの幅広い専門知識と長年金融機関で培ったノウハウを駆使しながら、日本人の配偶者等の在留資格(配偶者ビザ)の取得を目指していきます。
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