経営管理ビザで起業、軌道に乗るまで夜アルバイトできますか？

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経営管理ビザで起業して、事業が軌道に乗るまで夜アルバイトをしたいのですが可能でしょうか？

残念ながら、経営管理ビザでアルバイトをすることはできません。

外国人起業家とアルバイト

起業当初は、軌道に乗るまで売上高が立たずに、会社の収入はゼロで、事務所の家賃や役員報酬は自分が払い込んだ資本金を取り崩していくことになります。経営管理ビザを取得した時に払い込んだ500万円の資本金があるとはいえ、事務所家賃、自分への報酬、その他税金保険など、毎月多額の支出があり、売上高が無いと資金はどんどん減っていきます。

日本人の起業家は売上高が安定するまで、夜にコンビニでアルバイトをしたとか、道路工事のアルバイトをした、しばらく友達の会社でパートタイム社員として世話になった、といった話をよく聞きますが、経営管理ビザで起業した外国人はアルバイトはできません。

経営管理ビザは、あくまでも事業の経営を行う目的で在留を認められた在留資格であるため、その在留の目的以外のことはできません。とたえば、夜にアルバイトしたり、知人の経営する会社でパートタイムで働かせてもらったりということはダメです。

法律上は資格外活動許可を受ければ可能ではあるのですが、経営管理ビザで起業した外国人が、事業が軌道に乗るまでアルバイトしたいと資格外活動許可の申請をしても、実務上許可はされません。

この点、永住者や日本人の配偶者等の在留資格を持つ外国人起業家ならば、活動に制限がありませんので、日本人の起業家のように、夜のコンビニや道路工事など、または、友達の会社で世話になるということができます。

アルバイト（副業）したらどうなるか？

それでは、もし内緒でアルバイトをした場合、どうなるでしょうか？

アルバイトをした場合、アルバイト先が税務署や労働局などへ報告した従業員の情報や入管当局の各種調査などによって当局の知るところになる可能性が高くあります。そうすると「資格外活動違反」となり、1年後の経営管理ビザの更新が不許可となりえます。また、アルバイトが本業となってしまい、3か月間以上、事業の経営（経営管理ビザの活動）をしていない場合、経営管理ビザが取消される可能性もあります。

経営管理ビザを取得した以上は、本気で事業に取り組んで、稼ぐしかありません。私自身も起業した当初は「このままずっと売上が上がらないのか？」とても不安でしたが、アルバイトをすると事業の効率が悪いので、無収入の間も、ひたすら新規営業で電話・訪問・面談をしました。証券会社時代の経験からどのくらい営業するとどのくらいの割合でお客さんができるか感覚として自分の中にありました。

せっかく日本で経営管理ビザを取ったのに、アルバイトなどで、更新が不許可になるというのは悲しいので、あとは、やるしかありません！頑張れ！

この記事を書いた人

村井将一（むらい　まさかず）
１９７７年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券（三菱UFJフィナンシャルグループと米Morgan Stanleyのジョイントベンチャー）で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に18年間従事。在職中５００人を超える起業家や上場企業経営者に対して事業計画や資本政策などの財務・資本戦略についての助言を実施