経営管理ビザにおける事業所の要件:自宅開業は可能か?
経営管理ビザを取得したいのですが自宅を事務所にできますか?システム開発のためPCが1台あれば仕事ができます。
経営管理ビザの事業所は、原則自宅開業は難しいと考えられますが、一定の物件要件を満たせば認められる可能性はあります。
経営管理ビザでは自宅開業は原則ダメ!
経営管理ビザを取得する際、ビジネスを行うためには、専用の事業所を確保する必要があります。では、自宅を事務所として利用することは可能でしょうか?
経営管理ビザの取得者がビジネスを始める場合、自宅を事業所にすることは基本的に認められません。ビザ取得には、①住居とは独立した事業目的のスペースが必要で、②その事業所は法人名義で賃貸借契約されている必要があります。
しかし、一部の例外として、自宅であっても以下の条件を満たせば、自宅開業が認められる可能性があります。
自宅開業が認められる場合の条件
- 戸建て住宅であること
自宅の一部を事業所として使用する場合、戸建て住宅であることが求められます。例えば、1階が事務所で、2階以上が住居の場合、玄関が別々で、居住スペースと事業スペースが明確に分離されていれば、自宅開業が認められる可能性があります。 - 事業目的のスペースが独立していること
事業所として使用するスペースが、住居スペースと完全に分離されている必要があります。これは、店舗併設型の美容室や歯科医院のように、事業用スペースが住居とは別に確保されている状態を指します。 - 物件の契約条件
賃貸物件であれば、住居目的以外での使用が認められているかどうかが重要です。また、法人が転借人となる場合は、貸主と借主の同意も必要です。
経営管理ビザで認められるオフィスの要件
通常、経営管理ビザの申請には、賃貸オフィスやSOHOマンションなどを利用するのが一般的です。しかし、外国人に対して不動産を貸し出さないケースも多く、その場合はレンタルオフィスを利用することが一般的です。
レンタルオフィスを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう:
- レンタルオフィス:完全個室であり、事業運営に十分な広さや設備が備わっていることが条件。
- バーチャルオフィスやシェアオフィス、マンスリーマンションはビザ申請では認められません。
○レンタルオフィスの個室
○インキュベーションオフィス
×バーチャルオフィス
×マンスリーマンション
経営管理ビザで認められる可能性のある自宅開業
なお、自宅開業については、居住用と明確に分離した事業目的のスペースを確保する必要があるところ、実務上マンションの場合は、広い物件であっても生活スペースとの区分が難しく不可となりえます。しかし、戸建てであって、1階部分に事務所、2階3階部分で居住しており、出入り口が二か所以上、別々に用意されていおり、明確に住居と事業所が分離している場合には許可される場合があります。
自宅1Fを店舗としている美容室、税理士事務所、歯科医院、商店などをイメージしてください。
広さについては規定はありませんが、事業を営むことが不可能な狭い物件も当然認められません。自宅開業においては、具体的には以下のような賃貸借契約内容や費用按分などの条件があります
①住居目的以外の使用を貸主が認めていること
②法人が転借人となる場合には、貸主と借主の同意があること
③当該法人が事業を行う設備等を備えた事業目的占有の部屋を有していること
④当該物件にかかわる公共料金等の共用費用の支払いに関する取決めが明確になっていること
⑤看板類似の社会的標識を掲げていること
オフィス内の事務用品・設備
また、事業が人や設備を有して継続的に運営されていることが求められているので、事務所には、電話やFAX、PC、コピー機などの最低限度の設備を有している必要があます。これらが揃って、事業を営むことのできる事務所の状態になったうえで、写真を撮って、入国管理局へ提出することとなります。
飲食店などの店舗を必要とする事業では、テーブルや椅子等の内装品、オーナーとは別に、調理スタッフやホールスタッフの確保も必須となります。事業計画にも影響します。
まとめ
経営管理ビザでの自宅開業は原則認められませんが、条件を満たす場合に限り、例外的に認められることがあります。特に、戸建て住宅を使用し、事業スペースが住居スペースから明確に分離されている場合、申請が通る可能性があります。オフィスを探す際は、適切な物件やレンタルオフィスを選ぶことが成功のカギです。
ご相談はお早めに
自宅開業を検討している方や、ビザ申請に関する詳細なサポートが必要な方は、ぜひ当事務所にご相談ください。最適な事業所の確保やビザ申請手続きまで、全面的にサポートいたします。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
外国人専門起業支援プロデューサー。
~外国人の起業ビザ、スタートアップを徹底支援~
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1977年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米Morgan Stanleyのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に18年間従事。在職中500人を超える起業家や上場企業経営者に対して事業計画や資本政策などの財務・資本戦略についての助言を実施
専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。趣味は、日本人アイドルのコンサートとディカプリオ映画と猫と遊ぶこと
行政書士、東京都行政書士会 港支部 執行役員
CFP(Certified Financial Planner)、日本証券アナリスト協会検定会員
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