【経営管理ビザ】更新には最低何日以上日本に滞在しなければならない?
日本以外に世界3拠点で会社を経営しています。経営管理ビザの更新には、最低何日くらい日本に滞在すれば良いですか?
明確な日数の基準はありません。日本での滞在が少ない場合、その合理的な理由が求められます。注意点はあります。
経営管理ビザ更新のための最低限の日本滞在日数
経営管理ビザを取得した(する)外国人の経営者は、母国と日本の二国間での、貿易やサービスを提供を行う事業を営むなど、日本で経営する事業の内容が母国と強い関係があることが多く、日本人の経営者よりも外国への出張や帰国をする機会が多くなる場合があります。
その場合、「経営管理ビザの更新(または新規取得)に当たり、年間どの程度日本に滞在する必要があるか?」という質問をよく受けます。
しかしながら、実務的に特に何日以上といった最低限必要な滞在日数はありません。日本での滞在期間が短い場合であっても、「日本で、事業の経営や管理の業務を、実質的に行っている」ことを説明し、結果として少ない滞在日数になった合理的な理由が当局から認められれば構いません。なお、経営管理ビザの更新には、事業の継続性が重要視されており、今後の事業活動が確実に行われることが決算や財務の実績などから見込まれる必要があります。
※なお、経営管理ビザの更新についてはこちらをご参照ください。
・最低何日以上滞在という決まりは無し
・ただし、ビザの在留年数、永住申請等の「継続在留期間」には影響する可能性あり
更新許可される経営管理ビザの年限
上記のように国籍のある国や第三国と日本の間を頻繁に行き来している場合、基本は母国の本社で経営者の活動をしていて、日本には数カ月に一度短期間滞在するのみ、などの場合、通常は1年の在留期間の経営管理ビザが付与され、毎年モニタリングされることになります。経営管理ビザ→永住申請のために3年以上の経営管理ビザを取得したいと相談されることがありますが、その場合は、原則日本での活動日数を増やしていただくほかありません。
注意点(経営管理ビザ→永住・帰化)
経営管理ビザを更新しつつ、将来的に、日本で帰化(日本国籍の取得)や永住申請をしたい場合、「引き続き日本に在留していること(継続在留要件)」という要件があり、長期間の出張や年間一定日数以上の出国の状況があると、「引き続き」日本に在留していると看做されず、帰化や永住が不許可となる可能性があります。
例えば、経営管理ビザ→永住権を取得したいと思った場合、「引き続き10年以上日本に在留し、かつ5年以上経営管理ビザなどの就労可能な在留資格で在留していること」が求められるのところ、「引き続き」とは実務上、年間100日以上の出国又は1回の出国が3か月以上でないことなどが求められていますので、経営管理ビザで更新が可能であっても、年間100日以上出国する場合や一回の出国で3ヶ月を超える場合には、永住ビザは不許可になってしまう可能性があります。
したがって、もしも、将来永住ビザを取りたい場合には、永住ビザの審査で求められる年間100日以上出国することや1回の出国が3か月以上になることは控えたほうが良いでしょう。
この記事を書いた人
※28歳の時の写真です(1977年生まれ)。大変失礼しました。
村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)・日本証券アナリスト協会検定会員
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