外国人留学生を総合職として採用する
日本の大学を卒業する留学生を総合職として採用したいです。どの在留資格へ変更すれば良いでしょうか?
総合職採用を行う場合、原則は、高度専門職1号ロまたは技術・人文知識・国際業務の在留資格への変更が必要です。
技術・人文知識・国際業務ビザと総合職
外国人留学生を総合職として採用する場合には、現在の「留学」の在留資格から技術・人文知識・国際業務または高度専門職1号の在留資格への変更を申請して、その変更許可が得られることを条件に採用することとなります。高度専門職1号は学歴(修士以上・有名大学卒業者が有利)、日本語能力(N1など)、年収(初年度から300万円以上であること)などその要件を満たすためには相応のハードルがあることから、技術・人文知識・国際業務の在留資格での採用となることが一般的です。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、技術と人文知識と国際業務の3つの分野に分かれていますが、総合職は(職種にもよりますが)概ねこのうち「人文知識」のカテゴリーに該当します。従って、留学生を総合職採用する場合には、その留学生が「人文知識」の要件に該当するかをあらかじめ検討する必要があります。
採用要件と注意点
要件としては、以下の3つを満たすことが必要です。
- 従事しようとする職務内容が技術・人文知識・国際業務に合致
- 従事しようとする業務に「関連する科目」を専攻して大学を卒業
- 日本人と同等額以上の給料
(=日本人と同じ総合職採用なので差があるはずはないため説明は除外します)
大学を卒業する留学生が在留資格を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」へ変更申請する場合、従事する業務と大学での修得内容の関係性について厳密に要求されるわけではありません。大学での専攻科目と業務内容を緩やかに関連つけられれば良いとされています。
ただし、大学での専攻に全く関係のない職務内容の場合や、単純労働とみなされるような職務内容の場合は許可されない可能性が高くなります。実務上は、外食、ドラッグストア、ホテル、旅館の場合は、総合職採用であっても(規模の大きくない中小企業は特に)現場での単純労働とみなされる可能性があるため注意が必要です。
例えば、外食チェーンを展開する会社が、総合職として経営学部の留学生を採用する場合、採用直後は店舗で現場の研修をして、その後本社での勤務を予定しているなどのケースでは、単純労働を行わせるために採用するものではないことを説明する必要があります。具体的には、その留学生が学んだ経営学を会社のどのような業務に生かす目的を持っているか、店舗での研修がそれにどのように関係してくるのか、研修期間、社内でのキャリアプランなどを説明した書面を提出する必要があります。
そこで、所謂現場業務に関連する業種への留学生の就職を推進するために、特定活動(本邦大学卒業者)という新しい在留資格も創設されました。外食やドラッグストアなどの小売業、ホテル・旅館業、介護職種などの現場作業への従事も予定される場合には、特定活動(本邦大学卒業者)の在留資格を検討するのも一考でしょう。
なお、在留資格が変更できない場合、そのまま雇い入れることはできませんの、雇用契約書を作成する際には、必要な在留資格が得られることを採用条件とする旨を記載して置くのが通例です。
コンチネンタルでは多くの外国人就学生の採用支援を行っています。ご不明な点がありましたら、遠慮なくお電話・お問い合わせフォームからお問い合わせください。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)・日本証券アナリスト協会検定会員
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