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新型肺炎(コロナウィルス、COVID19)の経済への影響

新型肺炎(コロナウィルス、COVID19)の経済への影響

今月のブログは「新型肺炎(コロナウィルス、COVID19)の経済への影響」について書こうと思います。新型コロナによって観光業や飲食業などが打撃を受けている点はよくニュースになっているところ、あまり報道はされていませんが、経済の流れを読み解くとそれだけではありません。ここでは、特にマスコミでのニュースに流れてこない点について出来る限りかんたんに解説していきたいと思います。

ヒトやモノの流れへの影響

現在、新型肺炎(コロナウィルス、COVID19)の影響で、外国間の渡航の制限で人々の観光や商用の行き来がなくなったり、世界的に張り巡らされたサプライチェーンが分断されて物流やサービスが滞ったり、国内でのイベント中止や会食などの自粛などを含めて消費者心理が冷え込んでいるため実体経済活動への影響が大きく出ています。

例えば、旅行や宿泊業界、飲食業界などではこの2月、3月(Expected)、4月(Expected)と月次の売上高や受注高が壊滅的な打撃を受けているというニュースも多く耳にします。それらに関連する業界での中途採用の活動が留まり、既存の業務委託先への発注も一部止まり出しているようです。実際に街を歩くと飲食店や新幹線や飛行機その他の乗り物は閑散としていることに気づくはずです。周りでも「仕事(バイト)がなくなった」などの話も耳にするでしょう。

なお、90年代以降、日本の大企業は円高対策や競争力を維持するための原価低減などの理由からグローバル・サプライチェーン(=海外での生産や調達)の構築を進めており、また、関連する産業は多岐に渡りますので、例えば、トヨタグループやルノー日産などの自動車の生産効率悪化やその輸出(特に中国向けなど)やEUからの渡航規制が発動された米国や欧州における日本企業の業績への影響が相当程度出るものと考えられています。そしてどの程度出るかは、事態の収拾する時期がわからないため未知数です。

株価下落は危険信号、資産目減りと金融への影響

そのような不透明な経済的先行きを見越して、各国の株価が急落している最中です。株価とは、簡単にいうと「株価=1株当たりの企業の稼ぐ年間利益金額×投資家のリスク許容度=1株当たり当期利益×マルチプル(株価収益率PERや株価純資産倍率PBRなどが該当します)」となります。投資家が投資してくれるリスク許容度(PER)変わらないとしても、企業の予想する利益が3割減少すると、日経平均株価は3割下落する計算になります。急落前の日経平均株価が20,000円程度ありましたので、3割減で日経平均は14,000円です。

一般的にはこのような有事の時には、投資家はリスク回避の動きになるのでPERなどのマルチプルも低下して、掛け算で株価もさらに下落することが多いです。ちなみに、現時点では企業業績の下方修正がほとんど出ていないので、現時点の株価急落は、将来の不透明感や将来の企業業績が悪化することを計算しての「リスク回避」の動きです。

株価が下がると何が問題か?と聞かれることが多いのですが、分かり易いところで言うと、個人の口座に入っている金融資産や積み立てている年金の時価が急速に目減りし、その明細を目の当たりにするため、心理的に消費マインドが低下します。また、日経平均や個別企業の株価の水準などによって高い金利を得られる「日経平均連動債やEB債」などの金融商品が実際に元本割れを起こすこともあります。特に経済が回っていた頃によくお金を使っていた人が消費を控えてしまうようになります。さらに、大企業の所有する子会社などの株価が急落した場合は巨額の減損損失を計上の可能性(=そうなると会計上大きな損失を抱えるので設備投資などの投資を抑制する傾向がある=大きなお金を使わなくなる=金額が大きいので周囲に与える影響が大きい)や、銀行など金融機関の融資のスタンスにも影響を与えるので特に中小企業経営者や事業主には影響を与え得ます。

金融機関(特に地方銀行など)への影響と地元経済への波及

歴史的な低金利政策を受けて各地の地方銀行は、現在の貸し出し残高で得られる金利収入がどんどん減ってしまうので、貸し出し残高(リスクアセットといいます)を大きく拡大して金利収入を維持しようとしてきました。主な貸出先は、地元の中小企業と不動産関連です。日本の田舎には企業そのものも少ないので、相対的に信用力の低い貸出先への融資も増やす傾向にありました。2019年では中小企業等向け貸出金残高は、320兆3,439億円と2012年3月期から8年連続で前年同期を上回っています。総貸出金における中小企業等向け貸出の構成比は68.83%となりっています。

中でも、伸びを牽引しているのが投資銀行業務やグローバルに展開して収益を確保することが難しい地域の地方銀行で、その急速なリスクテイク(貸出し)については、日本銀行からも「金融システムレポート」において警笛が鳴らされています。と言うのは、コロナ不況で地元企業の業績が悪化すると、銀行は銀行規制上の「貸倒引当金」と言う与信費用を多く積まなければならなくなります。貸倒引当金は会計上の銀行の費用になりますので、それらが増えると収益が悪化し最悪赤字になります。また、企業が倒産すると貸したお金の戻らない部分がそのまま損失となります。一般的に、地方の中小企業の体力は弱いので、上述のようにコロナ肺炎の影響は大きく受けることになり、急速にそれら地元中小企業への融資残高を拡大してきた銀行の業績は大きく悪化する可能性があります。

しかも、地方銀行は、金利低下を中小企業などへの貸出しの増加だけ打ち返すことができずに、保有する株式を売却して売却益を計上して最終的な利益を確保していました。しかし、株安が進展してある一定水準を下回ると、地銀は株式の売却で利益を出すことができなくなてしまいます。

そこで、地銀の損益が赤字(株式の売却ができないと赤字の銀行が既に多数あり、そのことを既に金融庁が問題視しています)になるようなことがあると、地銀はBIS規制という規制で定められた自己資本比率の維持のため、かつて貸し出しをしていた中小企業への融資をストップさせて、その残高を減少させる動き(リスクアセットの圧縮)になると考えられます。噛み砕いて言うと、今回の返済が終わったら、次回の融資(リファイナンス)はしない。新規の貸し出しはなるべく控えると言うことです。2002年前後の「貸し渋り・貸し剥がし」や2009年頃のリーマンショック後の不動産事業者の連鎖倒産(主に業者が銀行からリファイナンスできなかった)が記憶に新しいところです。

こうなると、中小企業の資金繰りが悪化して、倒産する地元企業も増える可能性がありますので、それを回避するために、実際には、政府や金融庁の指導により地銀同士の合併や公的資金の再投入と言うことが起こり得ます。ただし、いずれにしても、民間事業者に相応の影響が出ることはほぼ必至です。

また、不動産向け融資も原則は圧縮する方向になるため、不動産会社が物件取得や開発のための資金を十分に調達できなくなったり、販売する個人のローンが通らずに売れなくなったり、富裕層が株安で資産が減少しているので不動産投資のマインドが減退するなど、不動産価格や取引にも影響が出る可能性もあります。

まとめ

このように、実体経済への直接的な影響、資産減少による心理的効果と金融への影響、金融への影響でそれがブーメランのように地域経済に帰ってくるという一連の流れが考えられます。次回は、それらに対処するための企業の財務的な対応策や、証券会社で多くの大企業へもアドバイスをしていた、例えば有事を見越した必要なキャッシュの水準などについて書こうかと思います。赤字だろうが、債務超過だろうが、究極キャッシュさえ回っていれば会社は潰れませんので、有事に必要な資金の手当てについて平時から考えておく必要があります。企業の存続のためには節税の誘惑などに惑わされてはいけません。

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