会社員の外国人が副業で会社経営をすることできる?
会社員でIT技術者をしている外国人です。会社に勤務しながら、副業で、友人と貿易会社を立ち上げることは可能ですか?
勤務先の副業に関する社内規則と現在の在留資格で活動できる範囲の2つの注意点があります。
会社員の外国人が副業で会社を立ち上げる
会社員の外国人が本業とは別に、副業で会社を立ち上げて、その会社の経営をしようとする場合、注意すべき点が2つあります。
1つは、現在勤めている会社との雇用契約や社内規定で、副業が禁止されている場合です。したがって、勤務先の雇用契約等の内容を確認する必要があります。最近、日本でも副業OKの会社は増えていますが、未だ副業を禁止する会社、副業の内容(業種や形態)を制限する会社は多くあります。
2つ目は、勤務先が副業OKだった場合、現在有している在留資格で副業が可能か否かが問題となります。永住者や日本人の配偶者等など活動に制限がない在留資格であれば、問題なく副業で会社経営ができます。
しかしながら、例えば、「技術・人文・国際業務ビザ」で働いている場合では、副業で会社を設立し、その会社の経営を行うことはできません。というのは、会社を立ち上げて収入を得る行為が「技術・人文・国際業務ビザ」で認められた活動には該当しないためです。(※在留資格ごとの活動の制限についてはこちらをご参照ください)
「資格外活動」を申請する事も考えられますが、自分で会社を立ち上げるための「経営管理」の在留資格が存在することもあり、資格外活動が許可される見込みは少ないように思えます。
高度専門職の在留資格での副業会社経営
ただし、高度専門職1号イ・ロ・ハ、及び高度専門職2号では、主たる業務として従事している職務に関連する事業を経営することが許可されています。例えば、会社員のIT技術者であれば自分のIT会社を設立し「従たる業務」として経営することが出来ます。ただし、あくまで主たる業務は会社員としての活動です。
また、その場合、法人&個人の副業収入の納税や社会保険の手続きなどを確りと守らっていなければ、適法な状態で運営していないと、永住許可申請の際に、不許可理由になる場合があるので注意が必要です。
まとめ
先ずは、勤務先の就業規則等で副業での会社経営が認められているかどうか。永住者や日本人の配偶者等などの活動に制限のない在留資格の人であれば問題無く副業OK。技術・人文・国際業務ビザのような働くことのできる職種に制限がある在留資格の場合は、原則は副業でビジネスをすることは難しいです。
ただし、高度専門職の在留資格では、現在メインで働いている事業に関連する事業の経営が許可されていることもあります。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
外国人専門起業支援プロデューサー。
~外国人の起業ビザから資金調達までスタートアップを徹底的に支援~
起業のためのビザの不許可・審査長期化のリスクを専門家が極限まで低減。
1977年生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米Morgan Stanleyのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に18年間従事。在職中500人を超える起業家や上場企業経営者に対して事業計画や資本政策などの財務・資本戦略についての助言を実施
専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。趣味は、日本人アイドルのコンサートとディカプリオ映画と猫と遊ぶこと
入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)
日本証券アナリスト協会検定会員
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