特定技能外国人の雇用後の受入企業の手続き等
特定技能外国人を雇用した後に何か手続きをすることはありますか?
入管法上の手続きとハローワークへの手続きがあります。また、建設など業種によっては関係当局への報告義務がある場合があります。
特定技能外国人(労働者個人)の手続き
特定技能で働く外国人(個人)は、新たに上陸して住居地を定めたとき及び転居などで住居地を変更した場合には14日以内に、市区町村役場に届出が必要です。特に住居地を合理的な理由なく90日以上届け出なかった場合には在留資格が取り消しになる可能性があります。また、住居地以外でも、以下の受入れ機関等の届出を怠った場合は罰則の対象になります。
既に日本に在留している場合は、日本にある契約機関の名称・所在地に変更が生じた場合や、契約機関の消滅、契約機関との契約の終了・新たな契約の締結が あったときには、14日以内に法務大臣への届出を行う必要があります。
(通常の就労ビザなどで在留する際の報告義務と原則同じです)
特定技能受入機関(雇用主)の手続き
特定技能外国人の受入れ機関(雇用主企業等)は、入管法上の特定技能に関する届出とハローワークへの届出が必要です。特定技能外国人を受け入れている特定技能所属機関(雇用主企業等)は、特定技能雇用契約や受入の状況に関する各種届出が義務付けられており、届出の不履行や虚偽の届出については罰則の対象とされていますので留意してください。
特定技能所属機関(雇用主企業等)による届出は,大きく分けて随時届出と定期届出があり,下記のとおり提出する必要があります。特定技能外国人と特定技能雇用契約を新たに締結、変更したときや支援計画が変更になったときなど随時の届出と3か月ごとに届出をする定期的な報告書類があります。
多くの書類に必要事項を記載して届出をおこなうほか、賃金台帳の写しなどの証明書類の添付が求められている場合もあります。
随時届出:事由発生日から14日以内
定期届出:四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内
※ 四半期は次のように定められています。
第1四半期: 1月1日から 3月31日まで
第2四半期: 4月1日から 6月30日まで
第3四半期: 7月1日から 9月30日まで
第4四半期:10月1日から 12月31日まで
受入れ機関の入管当局への報告書類
- (随時)特定技能雇用契約に係る届出書
- (随時)支援計画変更に係る届出書
- (随時)支援委託契約に係る届出書
- (随時)受入れ困難に係る届出書
- (随時)出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為に係る届出書
※上記の随時提出する届出書に添付する書類は、別途入管庁ウェブサイトより案内されています。 - (定期)受入れ状況に係る届出書 人数・活動内容・活動場所など
- (定期)支援実施状況に係る届出書
- (定期)活動状況に係る届出書 報酬の支払い状況・報酬水準など
※上記の定期的に提出する届出書に添付する賃金台帳の写し、定期面談報告書などの書類は、別途入管庁ウェブサイトより案内されています。
平成19年10月1日から、すべての事業主の方には、外国人労働者(特別永住者及び在留資格「外交」・「公用」の者を除く)の雇入れまたは離職の際に、当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることが義務付けられました。届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となります。なお、ハローワーク(公共職業安定所)窓口への届出のほか、インターネットによることも可能です
注意
例えば、特定技能(建設)など、業種によっては、上記の入管法や厚生労働大臣への届出に加えて、国土交通大臣などの業所管庁へ所定の書式での届出の義務がある場合がありますので注意してください。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。
在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。
入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Plannner)
日本証券アナリスト協会検定会員
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