(特定技能ビザ)支援責任者と支援担当者になれない人
特定技能の制度で「支援責任者」と「支援担当者」になれない人がいると聞きました。どのような場合でしょうか?
支援責任者等の中立性の確保のため、受入れ機関の労働者の監督者や受入れ機関の元役職員や親族などに一定の規制があります。
受入れ機関の場合
受入れ機関(企業等)が自前で雇用する特定技能外国人の支援を行う場合、支援の適正性や中立性の確保の観点から、支援責任者及び支援担当者が、①1号特定技能外国人を監督する立場にないこと及び受入れ機関(企業等)とその外国人の 間に紛争が生じた場合に少なくとも中立的な立場であること、②欠格事由に該当しないことが求められています。
①1号特定技能外国人を監督する立場にないこととは: 1号特定技能外国人と異なる部署の職員であるなど、当該外国人に対する指揮命令権を有しない者をいい、異なる部署であっても、当該外国人に実質的に指揮命令をし得る立場にある者は含まれません。
なお、当局審査では、支援責任者及び支援担当者は、外形的にも異なる部署(本社部門の人事総務部門や管理部門など)に所属していることが求められているようです。したがって、規模の小さな少人数で運営している会社(ex.社長+現場作業員のみの会社など)などで、現場部門と管理部門の人員が分かれていない場合などには立証は難しく、登録支援機関への全部委託が現実的になる場合もあります。現場部門と管理部門の兼務での主張立証は難しいようです。
欠格事由とは、入管法や労働関係法令等の法令違反や5年以内に刑罰・罰金を課せられた者、過去に虚偽申請をおこなったものなどが該当します。
登録支援機関の場合
登録支援機関においても、支援の適正性や中立性の確保の観点から、①過去5年間に受入れ機関の役員・従業員であった人、②受入れ機関の役員の配偶者・2親等以内の親族・その他社会生活上密接な関係を有する者は、「支援責任者」となることはできません。(=支援担当者にはなることができます)
なお、支援責任者及び支援担当者が登録拒否事由に該当するときは、そもそも登録支援機関になることができません。
企業はグループ内の会社や新会社を設立してそれを登録支援機関として、グループ各社の特定技能外国人の支援をしようとする相談が多くありますが、そのような場合には注意すべき点の1つです。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。
在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。
入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Planner)
日本証券アナリスト協会検定会員
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