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特定技能ビザが取れるかどうかの基準(要件)

特定技能ビザは複雑で、なかなかわかりません。特定技能ビザ取得のための要件をわかりやすく教えてください。

全業種共通の考え方を記載しました。特定技能は複雑で、かつ、個々の業種で上乗せの要件がある場合があるので注意してください。

 

 特定技能ビザの要件

特定技能ビザは、以下の6つの要件を満たしていることが必要です。

①受入れ企業等が認められた14分野の産業分類に該当すること
②外国人が技能実習2号を良好に終了または各分野ごとに定めている技能試験&日本語試験に合格等していること
③受入れ企業等が労働法や社会保険法などの法令を遵守しているか、
④外国人の業務内容報酬水準、雇用形態が特定技能の基準を満たしているか、
⑤受入れ企業等が外国人支援を行う体制を備えているか
業種ごとに上乗せ基準などがある場合はそれを満たしているか

これらの基準は関係省庁が広範に及び複雑になっており、慎重に確認を進めていくことが必要です。

①認められた産業分野

特定技能ビザを取得するためにま、受入れ企業等(特定技能所属機関)が、特定技能での対象業種である14業種の産業分野に入ることが必要です。介護、ビルクリーニング、農業、漁業、食料品製造業、外食業、素形材産業、産業機械産業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・船舶工業、自動車整備業、航空業、宿泊業です。これらの産業分野に該当するかどうかは、総務省の日本標準産業分類での区分でその該当の可否がが判断されます。
(介護・ビルクリーニング・造船・航空以外)

したがって、受入れ企業等が総務省の日本標準産業分類で対象業種に該当しない場合は、特定技能外国人の雇用をすることができません。

なお、建設業のように、現時点では、業種の中の一部の職種しか特定技能での就労が認められていないこともあるので、十分注意してください(例:2019年5月時点で左官、内装仕上げなどはOK、どび、溶接などはNG、順次対象技能の拡大を国土交通省で検討中)。

なお、特定技能外国人は、法務大臣によって、パスポートの指定書に従事する業務区分が記載されます。したがって、所属する企業に変更がない場合でも、社内異動などで異なる業務区分に従事することになる場合には、在留資格変更の手続きが必要になります。また、企業は14日以内に特定技能雇用契約の変更に関わる届出の提出も必要です。

②外国人の技能水準

特定技能1号に求められる外国人の技能水準は、①技能実習2号を良好に修了した人(試験免除)、②各業界の監督省庁が定めた技能や日本語能力について試験などに合格することが求められます。特定技能では、技術・人文知識・国際業務や技能の在留資格で求めてられている、働こうとする職務内容に関連する実務経験の年数や学歴などは求めていません。

  1. 技能実習2号を良好に終了
    または
  2. 各業種ごとに設定された技能試験&日本語能力試験に合格等

【ご参考:特定技能外国人受入の流れ

1.技能実習2号を良好に終了

「技能実習2号を良好に修了している」とは,技能実習を2年10か月以上修了し、

①第2号技能実習計画における目標である技能検定3級若しくはこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格していること,又は,

②技能検定3級及びこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格していないものの、特定技能外国人が技能実習を行っていた実習実施者(旧 技能実習制度における実習実施機関を含む。)が当該外国人の実習中の出勤状況や技能等の修 得状況、生活態度等を記載した評価に関する書面により、技能実習2号を良好に修了したと認 められることをいいます。

ただし,特定技能外国人を受け入れようとする特定技能所属機関が、当該外国人を技能実習生として受け入れていた実習実施者である場合(当該外国人が技能実習 2号を修了して帰国した後に,同一の実習実施者と特定技能雇用契約を締結する場合を含む。) には,過去1年以内に技能実習法の「改善命令」(技能実習法施行前の旧制度における「改善指導」を含む。)を受けていない場合には評価調書の提出を省略することができます。

2.各業種ごとに設定された技能試験&日本語能力試験に合格等

(技能水準と技能試験)
特定技能1号に求められる一定の「技能水準」とは、受入れる分野で即戦力として活動するために必要な知識や経験を有することとし、各事業の所管省庁が定める試験等によって確認されます。対象となる業種での事業内容、職務の内容は幅広く、受け入れる業種やその職務内容によって求められる要件に違いが出てきます。

例えば、特定技能(外食)では、所管する農林水産省の実施する「外食技能測定試験」に、特定技能(宿泊)では、国土交通省が実施する「宿泊業技能測定試験」に合格する必要があります。

(主な試験一覧)
□  外食:「外食技能測定試験」(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
□  宿泊:「宿泊業技能測定試験」(一般社団法人 宿泊業技能試験センター)
□  介護:「介護技能測定試験」(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
 技能試験の国内試験の受験ができるひと

技能試験の国内試験を受験するためには以下の受験資格が定められています。

ア.試験日において、満17歳以上であること。

イ.退去強制令書の円滑な執行に協力するとして法務大臣が告示で定める外国政府又は地域の権限ある機関の発行した旅券を所持していること(イラン国籍の人は受験できません)。

ウ.以下のいずれにも該当しないこと
退学・除籍処分となった留学生(自主退学を含む)
失踪した技能実習生
③在留資格「特定活動(難民申請)」により在留する者
④技能実習を含め、当該活動を実施するに当たっての計画(以下「活動計画」という)の作成が求められる在留資格で現に活動中の者(その活動計画の性格上、他の在留資格への変更が予定されていないもの、又はその計画により、当該活動終了後に特定の在留資格への変更又は在留期間の更新が予定されているもの)。
具体的には、以下の在留資格に係る活動計画に基づき活動中の者。
・「技能実習
・「研修」
・「特定活動(日本料理海外普及人材育成事業)」
・「特定活動(特定伝統料理海外普及事業)」
・「特定活動(製造業外国従業員受入促進事業)」
・「特定活動(インターンシップ)」
・「特定活動(外国人起業活動促進事業)」
・「経営・管理(外国人創業人材受入促進事業)」

エ.中長期在留者(出入国管理及び難民認定法第19条の3に規定する者をいい、「3月」以下の在留期間が決定された者、「短期滞在」、「外交」、「公用」のいずれかの在留資格が決定された者、特別永住者及び在留資格を有しない者等を除く。)であること又は過去に本邦に中長期在留者として在留した経験を有する者であること。

 

③受入れ機関の適合性

労働基準法や社会保険税金に関する法令の遵守はもとより、特定技能で働く外国人と同じ業務に従事する(日本人の)労働者を非自発的に離職(いわゆるクビに)させていないこと、行方不明者を発生させていないこと、悪質ブローカーが介在していないこと、給料を銀行振込することなどが求められます。

また、悪質業者からの外国人本人の保護のため、特定技能ビザを取得する個人に対しても「紹介業者等から保証金の徴収等をされていないこと」が要件となっています。

なお、受入れ機関(企業)には、特定技能雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていることが要求されますので、継続的に事業を営み、外国人へ賃金を支払っていける財政状況も求められます。現行の技術・人文知識・国際業務における債務超過の有無や赤字決算の継続等の判断基準が1つの参考にななろうかと思われます。

これはは3ヶ月ごとの定期的な当局への届出等によりモニタリングされていきます。

(受け入れ機関自体が満たすべき基準)

    1. 労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
      =ex. 社会保険加入義務のある企業は社会保険の加入必須、納税義務遵守は必須
    2. 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
    3. 1年以内に行方不明者を発生させていないこと
    4. 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと
    5. 特定技能外国人の活動内容に関わる文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備え置くこと
    6. 外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと
    7. 受入れ機関が保証金の徴収等を定める契約等を締結していないこと
    8. 支援に要する費用を、直接または間接に外国人に負担させないこと
    9. 労働者派遣をする場合には,派遣先が上記1から4の各基準を満たすこと
    10. 労働保険関係の成立の届出等を講じていること
    11. 雇用契約を継続して履行できる体制が適切に整備されていること(財政状況など)
    12. 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと(金融庁が銀行へ通達も)
    13. 分野に特有の基準に適合すること

特定技能外国人が転職した場合は、新たな受入れ機関(企業)において在留資格変更許可を受ける必要があります(=技術・人文知識・国際業務とは異なります)。技術・人文知識・国際業務での転職と同様に、外国人は退職から14日以内に入管法で求められる「所属機関の変更の届出」を行う必要があります。また、同じく、もとの所属機関(企業等)は、ハローワークへ外国人雇用状況の届出を提出しなければなりません。

④雇用契約の内容の適合性

受け入れ機関は、以下の基準を満たした雇用契約を雇用する特定技能外国人と結ばなければなりません。基準を満たしていない場合は、外国人が特定技能の在留資格を取得することができずに雇用することができません。

  1. 分野省令で定める技能を有する業務に従事させる者であること
  2. 所定労働時間が、同じ受入れ機関に雇用される通常(常勤従業員)の労働者の所定労働時間と同等であること
  3. 報酬額は日本人が従事する場合の額と同等以上であること

    (同等以上とは)
    「同等以上」とは、特定技能で働く外国人の報酬の額が、同等の業務に従事する日本人の報酬額と比較して同等以上 という意味です(19/3/15パブリックコメント結果公表より)。絶対額は定めておらず日本人の給料を参考に審査されます。

    (実効性担保のための施策)
    その実効性を担保するために、額面額、控除額、手取額等を明らかにする資料のみならず、現実に支払った報酬 の額を示す資料の提出(実際の銀行振り込み履歴明細など)を求めることとしており、不当な控除がなされれば入管当局において把握できる こととなっています。

    (その他の条件)
    その他の福利厚生や労働条件においても、同じ会社で勤務する日本人の雇用契約書などの条件と同じかどうかを審査で確認するとしています。

  4. 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について差別的な扱いをしていないこと
  5. 一時帰国を希望した場合、休暇を取得させること
  6. 労働者派遣の対象とする場合、派遣先や派遣期間が定められていること
  7. 外国人が帰国旅費を負担できなければ,受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑になされる措置を講ずること(cf. 帰国旅費は原則外国人の負担ですが、旅費を工面できないときは会社にフライト代の負担を求めるもの。なお、入国時のフライト代の企業負担は任意。) など
  8. 受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること
  9. 分野に特有の基準に適合すること

    ※ご参考:技能実習制度から見る受入れ機関の初期的課題

ご参考:特定技能外国人受入の流れ

 

⑤外国人の支援体制(支援計画作成)

特定技能外国人を受け入れる受入れ機関(企業等)は、法令に基づき「1号特定技能外国人支援計画」を作成しなければなりません。

なお、以下の※米印の項目は、登録支援機関に支援を委託する場合には不要とされます。こちらは原則は受入れ機関が義務を負うものの、中小企業などでは職員の確保や外国人の母国語での対応などは困難である場合が多いため、例外として、支援全部を登録支援機関へ委託すれば受入機関の要件である「外国人を支援する体制」も満たすとされています。

また、受入れ機関が外国人支援計画を作成し支援業務の一部のみ第三者へ委託することも可能です。

(外国人の支援 ※登録支援機関に全部委託する場合は満たすものとする)

  1. (※)以下のいずれかに該当すること
    ア  過去2年間に中長期在留者(就労ビザで働く人)の受入れまたは管理を適正に行った実績があり、かつ、役職員の中から支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上・支援責任者および支援担当者は兼務可能)を選任していること
    イ  役職員で過去2年間に中長期在留者の生活相談等に従事した経験を有する者の中から、支援責任者及び支援担当者を選任していること(兼務可・1人でも良い)
    ※中長期在留者(就労ビザで働く人):永住者・配偶者・定住者・留学生や家族滞在のアルバイトは除く
    ウ  ア又はイと同程度に支援業務を適正に実施することができる者(上場企業など)で、役職員の中から支援責任者及び支援担当者を選任していること
  2. (※)外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を確保していること
  3. (※)支援状況に関わる文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備え置くこと
  4. (※)支援責任者又は支援担当者が、支援計画の中立な実施を行うことができ、かつ、欠格事由に該当しないこと
    =受入れ企業の中で支援責任者・支援担当者になれない人がいるので注意が必要です。
  5. (※)5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
  6. (※)支援責任者又は支援担当者が、外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施することのできる体制を有していること
  7. (※)分野に特有の基準に適合すること
⑥業種ごとの上乗せ基準

特定技能の対象業種ごとに上乗せの基準がある場合には、その要件も充足しなければなりません。例えば、特定技能(建設)特定技能(介護)などは、受け入れ人数に制限が設けられていたり、特定技能ビザの申請の他に、業種特有の許可を得る必要などがあります。特定技能(建設)では、国土交通省に事前の許可が必要である他、キャリアアップシステムの登録や特定技能(建設)独自の登録支援機関のような団体(一般社団法人建設技能人材機構)に加入しなければなりません。

したがって、受け入れをしようとする業種ごとに特別な上乗せ基準があるかどうかを事前に確認しておく必要があります。

 

 まとめ

特定技能は要件は、各省庁に跨り独自の要件を設定していたり、試験の実施方法やタイミングも異なり通常の就労系の在留資格に比べてかなり複雑になっています。特定技能外国人を採用するに際しては、特定技能の在留資格が取得可能かどうかを事前に十分に検討する必要があります。

特定技能のお手続きは、お気軽に当事務所までご依頼ください。初期調査から要件調査までは無料で行い、特定技能ビザの申請、各種疎明、審査対応を有料で行います。

 

(ご参考)特定技能外国人の雇用後の手続き

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
外国人専門起業支援プロデューサー。
外国人の起業ビザから資金調達までスタートアップを徹底的に支援。ビザの不許可・審査長期化のリスクを専門家が200%低減!!

三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。

入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Plannner)・日本証券アナリスト協会検定会員

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