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登録支援機関の想定される工数とガバナンス

登録支援機関の想定される工数(手間)と適正に外国人支援をするための体制はどのように考えれば良いですか?

明確な基準の定めはありませんが、求められる支援内容にかかる工数を賄える体制を合理的に説明できる必要があります。

 

 登録支援機関に求められる外国人支援の工数

登録支援機関には外国人支援に関する多くの項目とその実効性について求められるため、多大な労力と工数がかかりることが想定されています。加えて、「外国人が十分に理解できる外国語」を使っての支援を求める項目も多く、それらを通訳人を介して行う場合には、(常勤の翻訳通訳者を雇用するよりも)多額の通訳費用を要することもなり得ます。

なお、登録支援機関は、特定技能外国人への支援状況を3ヶ月おきに入管当局へ報告する義務を負い、例えば、受託数が増えて適切な支援をできていないと認められる時は、登録支援機関の登録が取り消すされる可能性もあります(パブリックコメント)。※理論上可能な1人法人などで、どこまで支援の実効性が認められるか、当局の運用が興味深いです。

一方で、当局は例えば、「東京の登録支援機関が沖縄で外国人を支援していけるのかどうかなどの合理的な説明は求めていく」ともコメントしていますが、その支援する外国人の人数などによって求める登録支援機関の体制(人グリ)について明確な基準を示してはいないため、現時点で求めている支援について実際のケースを想定して積み上げで工数を見込んでいくしかありません。

登録支援機関によって、様々なケースが考えられます。例えば、遠隔地のクライアントを多く抱える場合には、空港から職場までの送り迎え、オリエンテーション、定期面談などに要する移動時間が長くなり効率性が落ちますし、1人ずつ断続的に入国して来る場合などでも効率性が落ちていくと考えられます。さらに、ディマンディングな人を数多く担当するとまたまた労力がかかりますので、どのようにビジネスでワークさせていくのか難しい判断が求められると考えています。

 制度のガバナンスと利益相反の問題

(制度のガバナンスを保つ通報システム)
コンチネンタルでは、特定技能外国人の支援制度が、意外にも特定技能全体のガバナンスが効いてくる重要な位置付けではないかと考えています。

つまり、労働者である特定技能外国人本人が、労働法や入管法、その他特定技能外国人との契約を守らなかったら関係当局へ苦情や通報ができる仕組みになっており、残業代未払いや過剰労働、パワハラ、セクハラがあった場合や、特定技能外国人との雇用契約の条件が守られなかった時は、外国人本人らが自ら当局へ苦情や通報を行い、その結果、それらの企業には関係当局の調査が入ることになります。

そして、最終的には受入れ機関としての要件を満たさないとして、特定技能外国人を雇用することが認められなくなり、いわゆるブラック企業が自然と淘汰されるというものです。もちろん、その前に特定技能外国人が転職によって同業他社へ流れていくことも考えられます。

(登録支援機関のコンフリクト)
また、登録支援機関も、外国人と受入機関の企業との定期面談で、その企業が法令違反をしていることを確認した場合、関係当局への通報義務が課されています。しかしながら、受入れ機関(企業等)は登録支援機関のクライアントであり、登録支援機関は自らクライアントを通報しなければならないというコンフリクトの状態に陥ります。

したがって、通常は積極的にクライアントを通報するということはないと思われますが、外国人との定期面第の内容は所定の様式で記録して、入管当局に提出しなければなりませんし、そこで法令違反を訴えた外国人の記録を改ざんした場合や悪意で関係当局へ通報をしなかった場合には、登録支援機関も登録を取り消されるリスクが生じてきます。

登録取り消しというと大げさと受け取られるかもしれませんが、コンチネンタルではかなり高い可能性のリスクであると考えています。なぜなら、早晩、外国人個人によって、監督官庁へ苦情・通報がなされるかもしれないからです。スマホの時代、面談記録が動画や音声でSNSサイトにアップされるかもしれません。苦情・通報しても、技能実習と異なり帰国することもなくなりますので、当然にその権利の行使は一定の確率でなされるはずです。

結論としては、特定技能外国人を受け入れた企業や登録支援機関は、入管当局や労務当局からは分からなくとも、雇用する外国人本人らによる苦情通報によるモニタリングを受けるため、これまで以上に法令を遵守したかたちで労働者を取り扱うことが求められることになると考えています。

 

(ご参考)Scope of Work :登録支援機関申請アドバイザリー
  1. 登録支援機関の登録拒否事由への該当可否に関する要件調査
  2. 登録支援機関に関わるビジネスモデル・リスク等に関する助言
    ○ 現時点で判明している制度及び市場動向等の情報及び当該情報に基づいた当事務所の見解を基に助言いたします。将来にわたってその正確性・完全性を保証するものではありません。
  3. 定款変更に関する助言
  4. 登録申請書一式等の作成及び助言
  5. 登録支援機関登録申請の代理
  6. 登録支援機関の登録申請審査の当局対応および助言(おおむね2ヶ月間)
    〇当局から補足説明等が求められた場合の提出文書の作成
    〇当該証拠書類及び疎明資料選定に関する助言
  7. 登録完了後の各種届出及び当局からの指導対応に関する助言(登録後にオプション)
  8. 特定技能ビザ申請手続は(その後の案件ごとに個別ご対応)

○上記の助言を実施する期間は登録支援機関の登録完了日までといたします。

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。

在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。

入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Plannner)
日本証券アナリスト協会検定会員

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