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シェアハウス運営事業で経営管理ビザを取得する

日本でシェアハウス事業を営む予定です。経営管理ビザを取得することはできますか?

シェアハウス収入で事業経費と役員報酬を十分まかなえることのほか、財務などにも注意すべき点が多くあります。

 

 シェアハウスでの経営管理ビザの取得

シェアハウス事業で経営管理ビザを取得するため方も多くなっています。理由は、外国人留学生や比較的若年層の外国人労働者が増え、手軽に割安に生活ができるシェアハウスのニーズが拡大していることにあります。また、事業の開始に際しても、シェアハウスの運営には特別に日本での事業許認可は必要でないことも追い風となっています。

さらに、運営主体が外国人ですので、入居者の募集に際しても、母国の入居者の人たちのニーズを的確に掴み、また、母国で効果的に募集活動をする事もできるかもしれません。

 賃料収入で事業経費をまかなえること

シェアハウス事業で、経営管理ビザを取得するためには、シェアハウス物件の賃料収益で事業経費と役員報酬をまかなえることが必要です。シェはハウスは、A)自社でシェアハウス物件を購入するタイプ、B)既存のシェアハウス を賃借し、それを転貸借して運営するタイプがあります。

A)自社でシェアハウス物件を購入するタイプ、B)既存のシェアハウス を賃借しそれを転貸借して運営するタイプで事業計画における収支構造や当初の物件取得費用の多寡、会計上計上しなければならない費用科目などが異なってきます。

ビジネスモデルが異なるので、それに合った疎明資料を証拠書類として入国管理局に提出して、事業の安定性継続生などを認めてもらう必要があります。

それらの事業経費を支払ったのちに、役員報酬(最低240〜300万円以上/家族構成などにもよる)、自宅以外の事務所賃料、その他の経費をまかなう必要があるので、大まかに言えば、業務純益(シェアハウス賃料収入-転貸借費用や減価償却費、管理運営費用などのシェアハウス運営費用を差し引いた金額)で500万円以上くらいの水準は欲しいところです。

 

 注意すべき点

シェアハウス事業で経営管理ビザを取得するに際し、注意すべき点は以下の通りです。

1)不動産物件取得時に大きな費用がかかるため債務超過には注意

シェアハウス物件を自社で購入する場合、物件価格のみに目がいきがちですが、不動産仲介手数料や不動産取得税、シェアハウス物件の建物減価償却など多額の費用がP/L(損益計算書)に反映さえます。また、物件の取得から入居者が入り、賃料が発生するまでに時間がかかる場合もあり、さらに物件の稼働率も概ねは7ー8割くらいを前提とすると、初年度は赤字となる事が多くみられ、赤字額が年間500万円を超えるようだと、経営管理ビザの取得要件で求められる資本金500万円で会社を設立した場合債務超過になってしまうこともあります。

なお、物件取得をする資金は、一般的には、オーナーの個人貸付けが大半ですので、自分の資金で物件に投資するのだから資金繰り的には何も問題ないと思いがちですが、会社の会計上では大きな影響を与えます。

債務超過になると、経営管理ビザ更新の際に、公認会計士や中小企業診断士などの企業評価を行うことができる公的資格を持つ第三者の専門家によ梁文俊、今後1年以内に債務超過を解消する見込みについての意見書をもらう必要があります。(費用は概ね15万円〜30万円程度かかります)債務超過が2年連続続くと、経営管理ビザを更新することができなくなってしまいます。

従って、資本金を大きくしたいところではありますが、資本金を1,000万円以上とすると消費税を2年間免除されうる特例を使えなくなりますので、取得予定の物件に関わる経費やその年に見込める収益などを計算しつつ、顧問税理士ともよく相談して決定する必要があります。一方で、収益を拡大していくためには、継続的な新規投資が必要ですので、第三者割当増資などの収益拡大のための自己資本増強をしていかなくてはいけません。

2)転貸借で運営する場合は利鞘が薄く、十分な業務純益の確保が必須

一方で、シェアハウスを転貸借する場合には、「入居者からの家賃収入-物件オーナーへの支払賃料」が自社の収益となるため、当初からかなり多くの物件や部屋数を確保しないと、経営管理ビザで認められうる自社収益の絶対額を確保する事が難しくなてしまいます。そして、多くの物件や部屋数を確保するためには事前の物件準備に時間がかかる事もある点にも注意が必要です。なお、シェアハウス物件を賃貸する時の不動産仲介手数料やリフォームの必要の有無、シェアハウスの稼働率などにも留意すべきです。

3)不動産賃貸業は銀行法人口座を開設しづらい

また、不動産投資業は銀行の法人口座を開設しづらいことが多く見受けられます。シェアハウス運営事業者への銀行の不正融資事件などを受けて日本の銀行が不動産業に対して慎重であることに加えて、信用力のない外国人(=経営管理ビザは当初1年の在留期間しか認められないため在留期間の不安定さがあるためです)に対しては、「総合的判断」により口座開設をしないとする銀行も多数あります。

「総合的判断」であるため、なぜダメだったかの理由を知ることはできません。
(私も金融機関勤務の時にまれに「総合的判断」で取引を断っていました。総合的判断の内訳を言うことはできませんので、何を言われてもオウムのように「総合的判断でございます」を繰り返すだけです。)

HPなどに記載されている資料だけでなく、事業計画書や経営者の経歴書、母国には多額の預貯金がある証明などの個人の財産的背景などプラスになる面を積極的に訴求していくことが肝要かと思います。

 シェアハウス事業で経営管理ビザを取るためには

シェアハウス事業で経営管理ビザを取得し、かつ更新していくためには上記のような事業場の留意点があります。また、最近では、ビザ全般の審査の厳格化により経営管理ビザの取得も難しくなっています。具体的には、事業の安定性継続性を判断するために事業計画や外国人本人の適格性や素行などが以前よりも厳格に審査されます。

確実に経営管理ビザを取得し、それをその後も更新していくためには、当初から不動産投資業に詳しい税理士や行政書士などの専門家とタイアップして事業計画を考えていく必要があります。

(ご参考)シェアハウス事業での経営管理ビザ取得事例:審査期間3週間弱

NOTE:ビザ取得または更新で心配な時はぜひご相談ください。 なお、当事務所のサービスを受けずにご自身で申請される方には、その具体的手続きや疎明資料、疎明方法などについてはアドバイスはしておりませんので予めご了承ください。

この記事を書いた人

村井将一(むらい まさかず)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャー)で企業の資金調達やM&Aなどのアドバイスを行う投資銀行業務に従事。

在職中、現場業務に従事しながら従業員組合中央執行委員として職場内の外国人や女性の活躍などのダイバシティ推進、労務環境改善活動に従事。専門は外国人の在留資格手続きに関わるコンサルティング及び財務コンサルティング。

入国管理局申請取次行政書士・CFP(Certified Financial Plannner)
日本証券アナリスト協会検定会員

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