登録支援機関による申請取次業務(特定技能ビザ)
登録支援機関で入国管理局の申請取次ができるようになりました、特定技能ビザ以外の申請も取次できますか?制限はありますか?
登録支援機関の申請取次は特定技能1号ビザの申請に限定されます。また、報酬をもらって申請書類を作成することはできません。
登録支援機関による申請取次業務の範囲
登録支援機関の職員が行える申請取り次ぎは、改正入管法施行規則にはその旨の限定はありませんが、特定技能1号に係るものに限定されるものであり、入国在留審査要領にてその旨が明記されます。
したがって、登録支援機関の職員が、特定技能外国人の日本人との結婚に伴う日本人の配偶者等の在留資格の申請や、転職に伴う技術・人文知識・国際業務の在留資格の申請などはできないということとなります。
登録支援機関の申請取次の注意点
「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類の作成すること」は行政書士の独占業務(行政書士法第1条の2、第19条)です。行政書士、弁護士以外の者が有償で申請書類を作成すること(形式的に申請書類作成自体を無償とし、申請書類の作成と密接関連する他の役務提供を有償とすることで、実質的に書類の作成を有償で行ったと同視できる場合を含む。)は刑事罰の対象になります。
東京都行政書士会から法務省入国管理局長(現出入国在留管理庁長官)に対して、要望書を提出し、同長官より、①入国管理局の入国在留審査要領に官公署に提出する書類の作成は行政書士の独占業務であることを明記すること、の確約をいただき、あわせて登録支援機関への注意喚起等法務省としても書類作成は本人、受け入れ機関、行政書士及び弁護士のみが行うことできることを周知することを検討する旨のコメントがなされています。
東京都行政書士会から法務省入国管理局の佐々木聖子局長(現出入国在留管理庁長官)への要望等について
①入国管理局の入国在留審査要領に官公署に提出する書類の作成は行政書士の独占業務であることを明記すること。
②東京都庁等で設置されているような都及び行政書士会が作成した行政書士以外の者が有償で申請書類の作成を行うことは違法である旨の案内プレートを地方出入国在留管理局に設置すること。
https://www.tokyo-gyosei.or.jp/topics/2019/0415.pdf
現在、多くの人材紹介会社や監理組合などがビザ申請に見合う手数料を顧客企業等から徴収して、申請書類の作成などを行っていると承知していますが、顧客企業等から、報酬を得て、特定技能ビザの申請書類等を作成することについては、行政書士の独占業務であり、登録支援機関がそれらの書類を作成できないことを当局が理解している旨、留意すべきです。
この記事を書いた人
村井将一(むらい まさかず)
新しい在留資格制度に関わるビジネスモデル構築コンサルタント
1977年東京都生まれ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJフィナンシャルグループと米Morgan Stanleyのジョイントベンチャー)において企業の資金調達、M&Aや株式公開等に関わるアドバイザリーなどの投資銀行業務に18年間従事。
新規上場をめざすベンチャー企業から世界的大企業までの500人以上の起業家やマネジメントに対して資本政策や財務戦略等についてのアドバイスを実施。上場企業経営陣に対する株式での経営者報酬スキームの日本国内初導入案件を担当するなど新しい制度改定にも積極的に取り組む。
外国人起業家への起業支援及び国内企業に対しての新しい在留資格制度に関わるビジネスモデル構築のコンサルティングに従事。
日本証券アナリスト協会検定会員
Certified Financial Planner(CFP)
申請取次行政書士(東京都行政書士会 港支部所属)
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